基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時10分

警告

<効能共通>【1.1】本剤の投与において,重篤な副作用(腎不全,心不全,感染症,全身痙攣,意識障害,脳梗塞,血栓性微小血管障害,汎血球減少症等)により,致死的な経過をたどることがあるので,緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識と経験を有する医師が使用する【1.2】顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていないので,切り換え及び併用に際しては,血中濃度を測定することにより製剤による吸収の変動がないことを確認する〔[16.1.10参照]〕 <臓器移植>【1.3】本剤の投与は,免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行う <関節リウマチ>【1.4】関節リウマチ治療に精通している医師のみが使用するとともに,患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期にわたることなどを予め十分説明し,患者が理解したことを確認した上で投与する。また,何らかの異常が認められた場合には,服用を中止するとともに,ただちに医師に連絡し,指示を仰ぐよう注意を与える <ループス腎炎>【1.5】本剤の投与は,ループス腎炎の治療に十分精通している医師のもとで行う <多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎>【1.6】本剤の投与は,多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の治療法に十分精通している医師のもとで行う

禁忌

【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴【2.2】シクロスポリン,ボセンタンを投与中〔[10.1参照]〕【2.3】カリウム保持性利尿剤を投与中〔[8.2,10.1参照]〕【2.4】生ワクチンを接種しない〔[10.1参照]〕

併用禁忌

【10.1】1)生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン,乾燥弱毒生風しんワクチン,経口生ポリオワクチン等)〔[2.4参照]〕〔類薬による免疫抑制下で生ワクチン接種により発症したとの報告/免疫抑制作用により発症の可能性が増加〕2)シクロスポリン<サンディミュン,ネオーラル>〔[2.2参照]〕〔副作用が増強されたとの報告,シクロスポリンより本剤に切り換える場合はシクロスポリンの最終投与から24時間以上経過後に本剤の投与を開始することが望ましい/本剤との併用によりシクロスポリンの血中濃度が上昇したとの報告,シクロスポリンはCYP3A4で代謝されるため,併用した場合,競合的に拮抗しシクロスポリンの代謝が阻害される〕3)ボセンタン<トラクリア>〔[2.2参照]〕〔ボセンタンの副作用が発現する可能性/本剤との併用によりボセンタンの血中濃度が上昇する可能性。また,ボセンタンはCYP3A4で代謝されるとともにCYP3A4誘導作用も有するため,併用により本剤の血中濃度が変動する可能性〕4)カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン<アルダクトンA>,カンレノ酸カリウム<ソルダクトン>,トリアムテレン<トリテレン>)〔[2.3,8.2参照]〕〔高カリウム血症が発現することがある/本剤と相手薬の副作用が相互に増強される〕

効能・効果

次の臓器移植における拒絶反応の抑制/腎移植,肝移植,心移植,肺移植,膵移植,小腸移植。骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制。重症筋無力症。関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)。ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分,又は副作用により困難な場合)。難治性(ステロイド抵抗性,ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)。多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎。

効能・効果に関連する使用上の注意

骨髄移植:HLA適合同胞間移植では本剤を第一選択薬とはしない。

用法・用量

腎移植初期1回0.15mg/kg,1日2回経口投与。以後漸減。標準維持量1回0.06mg/kg,1日2回経口投与。肝移植初期1回0.15mg/kg,1日2回経口投与。以後漸減。標準維持量1日0.10mg/kg。心移植初期1回0.03~0.15mg/kg,1日2回経口投与。拒絶反応発現後に投与開始する場合,1回0.075~0.15mg/kg,1日2回経口投与。以後,安定した状態が得られた後には漸減,有効最少量で維持。肺移植初期1回0.05~0.15mg/kg,1日2回経口投与。以後,安定した状態が得られた後には漸減,有効最少量で維持。骨髄移植移植1日前より,1回0.06mg/kg,1日2回経口投与。移植初期には1回0.06mg/kg,1日2回経口投与,以後漸減。移植片対宿主病発現後に開始する場合,1回0.15mg/kg,1日2回経口投与。以上,症状により適宜増減。膵移植・小腸移植初期1回0.15mg/kg,1日2回経口投与。以後漸減,有効最少量で維持。いずれも本剤の経口投与時の吸収は個人差があるので,状況により血中濃度を測定し,投与量調節。重症筋無力症・ループス腎炎1日1回3mg,夕食後経口投与。関節リウマチ1日1回3mg,夕食後経口投与。高齢者は1日1回1.5mgから開始,症状により1日1回3mgまで増量可。潰瘍性大腸炎初期1回0.025mg/kg,1日2回朝夕食後経口投与。以後2週間は目標血中トラフ濃度を10~15ng/mL,投与開始後2週以降は5~10ng/mLとして投与量調節。間質性肺炎初期1回0.0375mg/kg,1日2回朝夕食後経口投与。以後,目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとして投与量調節。

用法・用量に関連する使用上の注意

潰瘍性大腸炎:【1】原則1日0.3mg/kgまで。【2】投与2週間で改善が認められない場合は中止。【3】投与期間は通常3ヶ月まで。間質性肺炎:【1】1日0.3mg/kgまで。【2】開始時は原則としてステロイド剤を併用。

重大な副作用・国内1

I効能共通:【11.1.1】急性腎障害(0.1~5%未満),ネフローゼ症候群(0.1%未満)〔[7.3,7.6,8.1参照]〕【11.1.2】心不全,不整脈,心筋梗塞,狭心症,心膜液貯留,心筋障害(各0.1~5%未満)〔心筋障害(ST-T変化,心機能低下,心内腔拡大,壁肥厚等),心不全,心室性あるいは上室性の不整脈,心筋梗塞,狭心症,心膜液貯留が発現。[8.4参照]〕【11.1.3】中枢神経系障害(0.1~5%未満)〔可逆性後白質脳症症候群,高血圧性脳症等の中枢神経系障害が発現。全身痙攣,意識障害,錯乱,言語障害,視覚障害,麻痺等の症状が現れた場合には,神経学的検査やCT,MRIによる画像診断を行うとともに,本剤を減量又は中止し,血圧のコントロール,抗痙攣薬の投与を行う〕【11.1.4】脳血管障害(0.1~5%未満)〔脳梗塞,脳出血等の脳血管障害が発現。神経学的検査やCT,MRIによる画像診断を行う〕【11.1.5】血栓性微小血管障害(0.1~5%未満)〔溶血性尿毒症症候群,血栓性血小板減少性紫斑病等の血栓性微小血管障害が発現。[10.2参照]〕【11.1.6】汎血球減少症,血小板減少性紫斑病(各0.1~5%未満),無顆粒球症,溶血性貧血,赤芽球癆【11.1.7】イレウス(0.1~5%未満)【11.1.8】皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)【11.1.9】呼吸困難,急性呼吸窮迫症候群(各0.1~5%未満)【11.1.10】感染症(15%以上)〔細菌性,ウイルス性,真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪。また,B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化が発現。減量・休薬,抗生物質の投与を行う。[8.6,9.1.1,9.1.3参照]〕【11.1.11】進行性多巣性白質脳症(PML)〔本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し,意識障害,認知障害,麻痺症状(片麻痺,四肢麻痺),言語障害等の症状が現れた場合は,MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに,投与中止〕【11.1.12】BKウイルス腎症【11.1.13】リンパ腫等の悪性腫瘍(0.1~5%未満)〔Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状:発熱,リンパ節腫大等)が発現。減量・休薬。特に抗リンパ球抗体の併用例において,発現の可能性が高い。また,過度の免疫抑制により,悪性腫瘍発現の可能性が高まることがある。[8.7,9.7参照]〕【11.1.14】膵炎(0.1~5%未満)〔[8.3参照]〕【11.1.15】糖尿病及び糖尿病の悪化(0.1~5%未満),高血糖(15%以上)〔[8.3参照]〕【11.1.16】肝機能障害,黄疸〔AST,ALT,γ-GTP,ALP,LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害,黄疸が発現〕 II重症筋無力症:【11.1.17】クリーゼ〔人工呼吸等を行う〕 III関節リウマチ:【11.1.18】間質性肺炎〔発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状が認められた場合には,投与中止するとともに,速やかに胸部レントゲン検査,胸部CT検査及び血液検査等を実施し,感染症との鑑別診断を考慮に入れて,副腎皮質ホルモン剤の投与を行う。[9.1.2参照]〕

投与期間制限

なし

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