基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時11分

警告

【1.1】本剤による治療にあたっては,感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで,重症又は難治性の真菌感染症患者を対象に行う【1.2】重篤な肝障害が現れることがあるので,投与にあたっては,観察を十分に行い,肝機能検査を定期的に行う。異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行う〔[8.2,11.1.3参照]〕【1.3】羞明,霧視,視覚障害等の症状が現れ,本剤投与中止後も症状が持続することがある。本剤投与中及び投与中止後もこれらの症状が回復するまでは,自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意する〔[8.5,11.2参照]〕

禁忌

【2.1】次の薬剤を投与中:リファンピシン,リファブチン,エファビレンツ,リトナビル,ロピナビル・リトナビル,ニルマトレルビル・リトナビル,カルバマゼピン,バルビタール,フェノバルビタール,ピモジド,キニジン,イバブラジン,麦角アルカロイド,トリアゾラム,チカグレロル,アスナプレビル,ロミタピド,ブロナンセリン,スボレキサント,リバーロキサバン,リオシグアト,アゼルニジピン,オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン,ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期),アナモレリン,ルラシドン,イサブコナゾニウム〔[10.1参照]〕【2.2】本剤(成分)に過敏症の既往歴【2.3】妊婦・妊娠の可能性〔[9.5参照]〕

併用禁忌

【10.1】1)リファンピシン<リマクタン,アプテシン,リファジン>〔[2.1参照]〕〔リファンピシンとの併用により,本剤のCmaxは93%,AUCは96%減少/リファンピシンは,本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導〕2)リファブチン<ミコブティン>〔[2.1参照]〕〔リファブチンとの併用により,本剤のCmaxは69%,AUCは78%減少。本剤との併用によりリファブチンのCmaxは3.0倍,AUCは4.3倍増加/リファブチンは,本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導。本剤はリファブチンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕3)エファビレンツ<ストックリン>〔[2.1参照]〕〔エファビレンツとの併用により,本剤のCmaxは61%,AUCは77%減少。本剤との併用によりエファビレンツのCmaxは1.4倍,AUCは1.4倍増加/エファビレンツは,本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導。本剤はエファビレンツの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕4)リトナビル<ノービア>,ロピナビル・リトナビル<カレトラ>,ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッドパック>〔[2.1参照]〕〔リトナビルとの併用により,本剤のCmaxは66%,AUCは82%減少/リトナビルは,本剤の代謝酵素(CYP2C19及びCYP2C9)を誘導〕5)カルバマゼピン<テグレトール>,長時間作用型バルビツール酸誘導体(バルビタール,フェノバルビタール<フェノバール>)〔[2.1参照]〕〔これらの薬剤との併用により,本剤の代謝が促進され血中濃度が減少するおそれ/これらの薬剤は,本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導〕6)ピモジド<オーラップ>,キニジン〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,これらの薬剤の血中濃度が増加し,QT延長,心室性不整脈(torsade de pointesを含む)などの心血管系の副作用を引き起こすおそれ/本剤はこれらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕7)イバブラジン<コララン>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,イバブラジンの血中濃度が増加し,過度の徐脈が現れるおそれ/本剤はイバブラジンの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕8)麦角アルカロイド(エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>,ジヒドロエルゴタミン,エルゴメトリン,メチルエルゴメトリン<パルタンM>)〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,これらの薬剤の血中濃度が増加し,麦角中毒を引き起こすおそれ/本剤はこれら薬剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕9)トリアゾラム<ハルシオン>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,トリアゾラムの血中濃度が増加し,作用の増強や作用時間延長を引き起こすおそれ/本剤はトリアゾラムの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕10)チカグレロル<ブリリンタ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,チカグレロルの血中濃度が上昇し,血小板凝集抑制作用が増強するおそれ/本剤はチカグレロルの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕11)アスナプレビル<スンベプラ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,アスナプレビルの血中濃度が上昇し,肝臓に関連した有害事象が発現,又は重症化するおそれ/本剤はアスナプレビルの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕12)ロミタピド<ジャクスタピッド>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,ロミタピドの血中濃度が上昇するおそれ/本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕13)ブロナンセリン<ロナセン>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,ブロナンセリンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれ/本剤はブロナンセリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕14)スボレキサント<ベルソムラ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,スボレキサントの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれ/本剤はスボレキサントの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕15)リバーロキサバン<イグザレルト>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,リバーロキサバンの血中濃度が上昇し,抗凝固作用が増強することにより,出血の危険性が増大するおそれ/本剤はリバーロキサバンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕16)リオシグアト<アデムパス>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,リオシグアトの血中濃度が上昇するおそれ/本剤はリオシグアトの代謝酵素である複数のCYP分子種(CYP1A1,CYP3A等)を阻害〕17)アゼルニジピン<カルブロック>,オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,アゼルニジピンの血中濃度が上昇するおそれ/本剤はアゼルニジピンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕18)ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)<ベネクレクスタ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,ベネトクラクスの血中濃度が増加し,腫瘍崩壊症候群の発現が増強されるおそれ/本剤はベネトクラクスの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕19)アナモレリン<エドルミズ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,アナモレリンの血中濃度が増加し,副作用の発現が増強されるおそれ/本剤はアナモレリンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕20)ルラシドン<ラツーダ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,ルラシドンの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれ/本剤はルラシドンの代謝酵素(CYP3A4)を阻害〕21)イサブコナゾニウム<クレセンバ>〔[2.1参照]〕〔本剤との併用により,イサブコナゾールの血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれ/本剤はイサブコナゾールの代謝酵素(CYP3A)を阻害〕

効能・効果

次の重症・難治性真菌感染症/侵襲性アスペルギルス症,肺アスペルギローマ,慢性壊死性肺アスペルギルス症,カンジダ血症,食道カンジダ症,カンジダ腹膜炎,気管支・肺カンジダ症,クリプトコックス髄膜炎,肺クリプトコックス症,フサリウム症,スケドスポリウム症。造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。

効能・効果に関連する使用上の注意

造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:真菌感染に高リスクの患者(好中球数が500/mm3未満に減少することが予測される患者等)を対象とする。

用法・用量

〔成人〕体重40kg以上初日1回300mg,2日目以降は1回150mg又は200mg,1日2回食間経口投与。状態により又は効果不十分の場合は増量できるが,投与量上限は初日1回400mg,2日目以降は1回300mg,1日2回まで。体重40kg未満初日1回150mg,2日目以降は1回100mg,1日2回食間経口投与。状態により又は効果不十分の場合,2日目以降1回150mg,1日2回まで増量可。〔小児〕2~12歳未満・12歳以上で体重50kg未満ボリコナゾール注射剤による投与後,1回9mg/kg,1日2回食間経口投与。状態により又は効果不十分の場合1mg/kgずつ増量,忍容性が不十分の場合1mg/kgずつ減量(最大量350mgを用いた場合50mgずつ減量)。上限1回350mg,1日2回。12歳以上で体重50kg以上ボリコナゾール注射剤による投与後,1回200mg,1日2回食間経口投与。状態により又は効果不十分の場合1回300mg,1日2回まで増量可。

用法・用量に関連する使用上の注意

【1】軽度~中等度の肝機能低下(Child Pugh分類クラスA,Bの肝硬変に相当)がある患者では初日は通常用量,2日目以降は通常の半量にする。【2】造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防:好中球数が500/mm3以上に回復,又は免疫抑制剤の投与終了等,適切な時期に投与を終了する。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー【11.1.2】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑〔皮疹等の症状が現れた場合には投与中止〕【11.1.3】肝障害(5%)〔重篤な肝障害(肝炎,黄疸,肝不全,肝性昏睡等)が発現。死亡例も報告。[1.2,8.2参照]〕【11.1.4】心電図QT延長,心室頻拍(1%),心室細動,不整脈,完全房室ブロック〔心電図QT延長,心室頻拍(torsade de pointesを含む),心室細動,不整脈,完全房室ブロック,心室性二段脈,心室性期外収縮,頻脈等が発現。[8.3,9.1.2参照]〕【11.1.5】心不全(3%)〔心機能に関する異常が認められた場合には投与中止〕【11.1.6】腎障害(1%)〔重篤な腎障害(急性腎障害,腎炎,腎尿細管壊死等)が発現。[8.1参照]〕【11.1.7】呼吸窮迫症候群【11.1.8】ギラン・バレー症候群【11.1.9】血液障害(2%)〔骨髄抑制,汎血球減少,再生不良性貧血,無顆粒球症,播種性血管内凝固等の重篤な血液障害が発現。[8.1参照]〕【11.1.10】偽膜性大腸炎〔偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎が発現。腹痛,下痢が現れた場合には投与中止〕【11.1.11】痙攣〔痙攣等の神経障害が発現〕【11.1.12】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が発現〕【11.1.13】間質性肺炎(0.2%)〔咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施。投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与〕【11.1.14】低血糖〔重篤な低血糖が発現〕【11.1.15】意識障害(0.1%)〔意識消失,意識レベルの低下等の意識障害が発現〕

投与期間制限

なし

当該基本情報については、各種提供元のデータを基にメドピアが編集したものを掲載しています。 情報は毎月更新しておりますが、ご覧いただいた時点での最新情報ではない可能性があります。 最新の情報は、各製薬会社のホームページ、医薬品医療機器総合機構ホームページ(PMDA)、厚生労働省のホームページでご確認いただきますようお願いいたします。 もし掲載されている各種情報に誤りやご質問などがございましたらこちらのフォームよりお問い合わせください。