基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時10分

警告

【1.1】本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,癌化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,添付文書を参照して,適切と判断される症例についてのみ投与する。適応患者の選択にあたっては,本剤及び併用薬剤の添付文書を参照して十分に注意する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に,間質性肺疾患の初期症状,服用中の注意事項,死亡に至った症例があること等に関する情報),非小細胞肺癌,膵癌の治療法等について十分説明し,同意を得てから投与する〔[8.1参照]〕【1.2】本剤の投与により間質性肺疾患が現れることがあるので,初期症状(息切れ,呼吸困難,咳嗽,発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等,観察を十分に行う。異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行う。また,国内臨床試験において,間質性肺疾患により死亡に至った症例があることから,治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で,間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行う〔[8.3,9.1.2,9.1.3,11.1.1,15.1.1参照]〕【1.3】膵癌を対象とした本剤とゲムシタビンとの併用療法の国内臨床試験における間質性肺疾患の発現率(8.5%),特定使用成績調査における間質性肺疾患の発現率(6.2%)は,海外第III相試験(3.5%)や,非小細胞肺癌を対象とした本剤単独療法の国内臨床試験(5.3%)及び二次治療以降の特定使用成績調査(全例調査)(4.3%)と比べて高いこと等から,膵癌に使用する場合には,「臨床成績」の項の国内臨床試験における対象患者を参照して,本剤の有効性及び危険性を十分に理解した上で,投与の可否を慎重に判断するとともに,次の点も注意する〔[8.3,9.1.2,9.1.3,11.1.1,15.1.1参照]〕:(1.3.1)本剤投与開始前に,胸部CT検査及び問診を実施し,間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で,投与の可否を慎重に判断する (1.3.2)本剤投与開始後は,胸部CT検査及び胸部X線検査をそれぞれ定期的に実施し,肺の異常所見の有無を十分に観察する

禁忌

本剤(成分)に過敏症の既往歴

効能・効果

切除不能な再発・進行性で,がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌。EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で,がん化学療法未治療の非小細胞肺癌。治癒切除不能な膵癌。

用法・用量

非小細胞肺癌1日1回150mg,食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与。膵癌ゲムシタビンと併用。1日1回100mg,食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与。以上,状態により適宜減量。

用法・用量に関連する使用上の注意

副作用の発現により用量を変更する場合,50mgずつ減量。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】間質性肺疾患(非小細胞肺癌:4.4%,膵癌:6.4%)〔間質性肺疾患(間質性肺炎,肺臓炎,放射線性肺臓炎,器質化肺炎,肺線維症,急性呼吸窮迫症候群,肺浸潤,胞隔炎等)が発現。死亡に至った症例も報告。投与中止。ステロイド治療を行う。[1.2,1.3,8.3,9.1.2,9.1.3,15.1.1参照]〕【11.1.2】肝炎(非小細胞肺癌:0.1%未満),肝不全(非小細胞肺癌:0.1%未満),肝機能障害(非小細胞肺癌:1.6%,膵癌:4.6%)〔ALT,AST,ビリルビンの上昇等を伴う重篤な肝機能障害が発現。肝炎,肝不全により死亡に至った症例も報告。[8.4,9.3参照]〕【11.1.3】重度の下痢(非小細胞肺癌:1.1%,膵癌:0.7%)〔重度の下痢,悪心,嘔吐,食欲不振により脱水症状をきたし,腎不全に至った症例が報告。必要に応じて電解質や腎機能検査を行い,患者状態により止瀉薬(ロペラミド等)の投与,補液を行うとともに,減量又は休薬を考慮〕【11.1.4】急性腎障害(非小細胞肺癌:0.1%未満,膵癌:0.2%)〔急性腎障害等の重篤な腎機能障害が発現〕【11.1.5】重度の皮膚障害(ざ瘡様皮疹等の発疹(非小細胞肺癌:6.3%,膵癌:4.1%),爪囲炎等の爪の障害(非小細胞肺癌:0.8%,膵癌:0.9%),皮膚乾燥・皮膚亀裂(非小細胞肺癌:0.3%,膵癌:0.2%),皮膚潰瘍(非小細胞肺癌:0.2%),掻痒症(非小細胞肺癌:0.1%,膵癌:0.1%)等)〔また,重度の皮膚障害発現後に,蜂巣炎,敗血症等の感染症を合併した症例も報告。[8.5参照]〕【11.1.6】皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(非小細胞肺癌:0.1%未満),中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),多形紅斑(非小細胞肺癌:0.1%未満,膵癌:0.2%)〔皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死融解症,多形紅斑等の重篤な水疱性・剥脱性の皮膚障害が発現〕【11.1.7】消化管穿孔(非小細胞肺癌:0.1%未満,膵癌:0.2%),消化管潰瘍(非小細胞肺癌:0.4%,膵癌:0.7%),消化管出血(非小細胞肺癌:0.3%,膵癌:1.4%)〔異常が認められた場合には,内視鏡,腹部X線,CT等の必要な検査を行う。投与中止。[9.1.1,15.1.3参照]〕【11.1.8】角膜穿孔(非小細胞肺癌:0.1%未満),角膜潰瘍(非小細胞肺癌:0.1%未満,膵癌:0.1%)〔眼痛等の異常が認められた場合には投与中止。[15.2.2参照]〕

投与期間制限

なし

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