基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時10分

警告

【1.1】本剤使用にあたっては,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与を開始する【1.2】本剤の臨床試験において,骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例が認められている。本剤の投与は,緊急時に十分に措置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し,次の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行う〔[2.1-2.9,10.1参照]〕:1)骨髄機能抑制2)感染症を合併している者3)下痢(水様便)4)腸管麻痺,腸閉塞5)間質性肺炎又は肺線維症6)多量の腹水,胸水7)黄疸8)アタザナビル硫酸塩を投与中9)本剤(成分)に過敏症の既往歴【1.3】本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は,小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施する【1.4】投与に際しては,骨髄機能抑制,高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり,ときに致命的な経過をたどることがあるので,頻回に臨床検査(血液検査,肝機能検査,腎機能検査等)を行うなど,患者の状態を十分に観察する〔[8.3,11.1.1,11.1.2参照]〕【1.5】骨髄機能抑制による致命的な副作用の発現を回避するために,特に次の事項に十分注意する:(1.5.1)投与予定日(投与前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し,結果を確認してから,本剤投与の適否を慎重に判断する (1.5.2)投与予定日の白血球数が3,000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法においては,2クール目以降7.5万/mm3未満)の場合には,本剤の投与を中止又は延期する〔[7.1,7.3参照]〕 (1.5.3)投与予定日の白血球数が3,000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては,2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても,白血球数又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど,骨髄機能抑制が疑われる場合には,本剤の投与を中止又は延期する〔[7.2参照]〕

禁忌

【2.1】骨髄機能抑制〔骨髄機能抑制が増悪して重症感染症等を併発し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.2】感染症を合併している者〔感染症が増悪し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.3】下痢(水様便)〔下痢が増悪して脱水,電解質異常,循環不全を起こし,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.4】腸管麻痺,腸閉塞〔腸管からの排泄が遅れ,重篤な副作用が発現し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.5】間質性肺炎又は肺線維症〔症状が増悪し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.6】多量の腹水,胸水〔重篤な副作用が発現し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.7】黄疸〔重篤な副作用が発現し,致命的となるおそれ。[1.2参照]〕【2.8】アタザナビル硫酸塩を投与中〔[1.2,10.1参照]〕【2.9】本剤(成分)に過敏症の既往歴〔[1.2参照]〕

併用禁忌

【10.1】アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>〔[1.2,2.8参照]〕〔骨髄機能抑制,下痢等の副作用が増強するおそれ/本剤の活性代謝物(SN-38)は,主に肝のUDP-グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によりグルクロン酸抱合体(SN-38G)となる。UGT阻害作用のあるアタザナビル硫酸塩との併用により,本剤の代謝が遅延〕

効能・効果

小細胞肺癌,非小細胞肺癌,子宮頸癌,卵巣癌,胃癌(手術不能又は再発),結腸・直腸癌(手術不能又は再発),乳癌(手術不能又は再発),有棘細胞癌,悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫),小児悪性固形腫瘍,治癒切除不能な膵癌。

用法・用量

小細胞肺癌・非小細胞肺癌・乳癌・有棘細胞癌はA法,子宮頸癌・卵巣癌・胃癌及び結腸・直腸癌はA法又はB法,悪性リンパ腫はC法,小児悪性固形腫瘍はD法,膵癌はE法を使用。A法成人1日1回100mg/m2,1週間間隔で3~4回点滴静注,少なくとも2週間休薬。B法成人1日1回150mg/m2,2週間間隔で2~3回点滴静注,少なくとも3週間休薬。C法成人1日1回40mg/m2,3日間連日点滴静注。これを1週ごとに2~3回繰り返し,少なくとも2週間休薬。以上,A~C法は年齢・症状により適宜増減。D法1日1回20mg/m2,5日間連日点滴静注。これを1週ごとに2回繰り返し,少なくとも1週間休薬。E法成人1日1回180mg/m2,点滴静注。少なくとも2週間休薬。D・E法は状態により適宜減量。以上,各々1クールとして繰り返す。投与量に応じて生理食塩液,ブドウ糖液又は電解質維持液(A・B・E法は500mL以上,C法は250mL以上,D法は100mL以上)に混和し,A・B・E法は90分以上,C・D法は60分以上かけて点滴静注。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】骨髄機能抑制〔汎血球減少,白血球減少(84.2%),好中球減少(80.8%),血小板減少(20.4%),貧血(61.4%),発熱性好中球減少症(1.3%)等が発現。白血球減少(好中球減少)を認めた場合には,減少の程度に応じてG-CSF等の白血球増多剤の投与,発熱を伴う場合には適切な抗生剤の投与,その他必要に応じて適切な感染症対策を行う。また,高度な骨髄機能抑制の持続により,次のような疾患を併発し,死亡した例も報告。1)重症感染症(敗血症,肺炎等):重篤な白血球・好中球減少に伴い,敗血症,肺炎等の重症感染症が発現 2)播種性血管内凝固症候群(DIC):重篤な感染症,血小板減少に伴い,播種性血管内凝固症候群が発現。[1.4,8.3,8.5参照]〕【11.1.2】高度な下痢,腸炎〔下痢(65.5%),大腸炎,小腸炎,腸炎(部位不明)が発現。高度な下痢の持続により,脱水,電解質異常,ショック(循環不全)を併発し,死亡した例も報告。高度な下痢の持続により,脱水及び電解質異常等をきたし,特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には,致命的な経過をたどることがあるので,次のような処置を行う。1)ロペラミド塩酸塩等の止瀉剤を投与(ただし,腸管麻痺を引き起こすことがあるので,ロペラミド塩酸塩等の予防的投与や,漫然とした投与は行わない) 2)脱水を認めた場合には,輸液,電解質補充を行う 3)重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には,適切な抗生剤の投与を考慮。高度な下痢や嘔吐に伴いショック(循環不全)が現れることがある。呼吸困難,血圧低下等が認められた場合には投与中止。なお,本剤による下痢に関しては,以下の2つの機序が考えられている。(1)早発型:本剤投与中あるいは投与直後に発現する。コリン作動性と考えられ,高度である場合もあるが多くは一過性であり,副交感神経遮断剤の投与により緩和することがある (2)遅発型:本剤投与後24時間以降に発現。主に本剤の活性代謝物(SN-38)による腸管粘膜傷害に基づくものと考えられ,持続することがある。[1.4,8.3-8.5参照]〕【11.1.3】腸管穿孔,消化管出血,腸閉塞〔腸管穿孔,消化管出血(下血,血便を含む),腸管麻痺(2.5%),腸閉塞(0.5%)が発現。なお,腸管麻痺・腸閉塞に引き続き腸管穿孔を併発し,死亡した例が報告。これらの症例の中には,腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩,モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例があるので,腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には,特に注意する。[8.5参照]〕【11.1.4】間質性肺炎(2.4%)〔[8.5,8.7参照]〕【11.1.5】ショック,アナフィラキシー〔過敏症状(呼吸困難,血圧低下等)が認められた場合には投与中止。[8.2参照]〕【11.1.6】肝機能障害,黄疸〔[8.3参照]〕【11.1.7】急性腎障害〔[8.3参照]〕【11.1.8】血栓塞栓症〔肺塞栓症,静脈血栓症が発現〕【11.1.9】脳梗塞【11.1.10】心筋梗塞,狭心症発作【11.1.11】心室性期外収縮(0.8%)

投与期間制限

なし

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