基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時10分

警告

【1.1】本剤の投与は,緊急時に十分対応できる医療施設において,造血器悪性腫瘍又は全身性ALアミロイドーシスの治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例のみに行う。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し,同意を得てから投与を開始する【1.2】治療初期は入院環境で医師の管理下にて適切な処置を行う【1.3】国内の臨床試験において,本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められている。海外ではまれであるが,国内では本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎,肺水腫,急性呼吸窮迫症候群,胸水等)がより高頻度に発生する可能性があるため,特に次の事項に十分注意する〔[8.1,9.1.1,11.1.1参照]〕:(1.3.1)本剤による治療を開始するにあたり,胸部X線検査,胸部CT検査等を実施し,異常の有無を確認した上で,治療開始の可否を慎重に判断する (1.3.2)本剤による治療中及び治療後,特に治療開始後早期は,息切れ,呼吸困難,咳,発熱等の自覚症状や,胸部聴診所見,呼吸数等での異常の有無を慎重に観察する。必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT検査等を適切に実施し,経過を観察する。本剤による肺障害が疑われた場合には,投与中止も含め適切な処置を行う

禁忌

ボルテゾミブ,マンニトール,ホウ素に過敏症の既往歴

効能・効果

多発性骨髄腫。マントル細胞リンパ腫。原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫。全身性ALアミロイドーシス。

用法・用量

〔多発性骨髄腫〕1日1回1.3mg/m2,次のA法又はB法で静注又は皮下注。本剤は最低72時間空けて投与。A法他の抗悪性腫瘍剤と併用で週2回,2週間(1,4,8,11日目)投与後,10日間休薬(12~21日目)。これを1サイクルとし,2又は8サイクルまで繰り返す。3又は9サイクル以降は週1回,2週間(1,8日目)投与し,13日間休薬(9~21日目)。これを1サイクルとし,18サイクルまで繰り返す。週1回投与への移行時期は併用する抗悪性腫瘍剤を考慮して選択。B法(再発又は難治性の場合に限る)週2回,2週間(1,4,8,11日目)投与後,10日間休薬(12~21日目)。これを1サイクルとし繰り返す。8サイクルを超えて継続投与する場合には前記の用法用量で継続するか,又は維持療法として週1回,4週間(1,8,15,22日目)静注又は皮下注後,13日間休薬(23~35日目)。これを1サイクルとし繰り返す。〔マントル細胞リンパ腫〕他の抗悪性腫瘍剤と併用で1日1回1.3mg/m2を1,4,8,11日目に静注し,10日間休薬(12~21日目)。これを1サイクルとし,6サイクルまで(6サイクル目に初めて奏効が認められた場合8サイクルまで)繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与。静注が困難な場合皮下注も可。〔原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〕1日1回1.3mg/m2を1,4,8,11日目に静注又は皮下注し,10日間休薬(12~21日目)。これを1サイクルとし繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与。〔全身性ALアミロイドーシス〕他の薬剤との併用で1日1回1.3mg/m2を1,8,15,22日目に皮下注。28日間を1サイクルとし,6サイクルまで繰り返す。注射部位反応が発現した場合,静注も可。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】肺障害〔間質性肺炎(0.2%,日本人:2.5%),急性肺水腫(0.5%,日本人:0.4%),胸水(0.1%,日本人:1.6%),急性呼吸窮迫症候群(0.1%)が発現。国内の臨床試験及び市販後の報告において,本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められており,海外と比較して肺障害の発生頻度が高い可能性がある。なお,肺障害の対処方法及び可能性のあるリスク因子について臨床試験では確認されていない。急性骨髄性白血病に対し,本剤,ダウノルビシン塩酸塩及び高用量シタラビンの24時間持続点滴(2000mg/m2/日)を併用した海外の臨床試験において,本剤との因果関係を否定できない急性呼吸窮迫症候群による死亡が報告。[1.3.1,1.3.2,8.1,9.1.1参照]〕【11.1.2】心障害〔うっ血性心不全(1.3%),心嚢液貯留(0.1%),心原性ショック(0.1%),心停止(0.1%),心肺停止が発現。また,投与前の左室駆出率に異常の無い患者においても左室駆出率低下が報告。海外臨床試験においてQT間隔延長の報告があるが,薬剤との関連性については明らかになっていない。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において,本剤群及びデキサメタゾン群で発現した心障害の発現頻度はそれぞれ14%及び12%。そのうち心不全等(急性肺水腫,心不全,うっ血性心不全,心原性ショック,肺水腫)の発現頻度はそれぞれ5%及び4%。[8.2参照]〕【11.1.3】末梢神経障害〔末梢性感覚ニューロパチー(28.2%),神経障害性疼痛(14.8%),錯感覚(8.6%),末梢性ニューロパチー(8.1%),感覚減退(3.6%),末梢性運動ニューロパチー(2.3%),灼熱感(0.4%)が発現。重症の感覚性ニューロパチーも報告。本剤の投与により,感覚障害による末梢性ニューロパチーが主に認められるが,感覚障害と運動障害が混在するニューロパチーの発現例も報告。末梢性ニューロパチーに加えて,起立性低血圧やイレウスを伴う重度の便秘等,一部の有害事象に自律神経ニューロパチーが関与している可能性があるが,十分な情報は得られていない。また,本剤の投与により糖尿病性ニューロパチー等の基礎疾患を悪化させる可能性がある。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験においてGrade2以上の末梢性ニューロパチーを認めた患者では用量調整により末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が51%で認められた。また,海外第II相試験においてGrade3以上の末梢性ニューロパチーを発現した患者又はGrade2のニューロパチーを呈し,投与を中止した患者では,末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が73%で認められた。[7.1.1,7.1.2,8.4,9.1.3参照]〕【11.1.4】ギラン・バレー症候群,脱髄性多発ニューロパチー【11.1.5】骨髄抑制〔血小板減少(39%),好中球減少(34.8%),貧血(21.9%),白血球減少(17.9%),リンパ球減少(10.9%),発熱性好中球減少症(2.8%),汎血球減少(0.1%)が発現。骨髄機能が抑制された結果,感染症(敗血症性ショック等)や出血等の重篤な副作用が発現することがある。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験における重症の出血(Grade3以上)の発現率は本剤群で4%,デキサメタゾン群で5%。血小板数は各サイクルの11日目に最低値に達し,通常は次サイクル開始前までに回復した。血小板数の減少と回復のパターンは週2回投与の8サイクルにわたり一貫しており,蓄積性の血小板減少症は認められなかった。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において血小板数の最低値の平均は,投与開始前の約40%。[8.5,8.6参照]〕【11.1.6】イレウス(0.7%)〔食欲不振,嘔吐,便秘,腹部膨満感等の症状が現れた場合には適切な処置を行う。[8.7参照]〕【11.1.7】肝機能障害〔ASTの増加(0.7%),ALTの増加(0.7%),γ-GTPの増加(0.6%),ALPの増加(0.5%)及び血中ビリルビンの増加(0.6%)等を伴う肝機能障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)が発現。[8.3,8.8,9.1.2参照]〕【11.1.8】低血圧〔低血圧(3%),起立性低血圧(2.2%)が発現。低血圧の機序は不明であるが,一部は自律神経ニューロパチーが関与している可能性がある。[8.9,9.1.4参照]〕【11.1.9】腫瘍崩壊症候群(0.3%)〔[8.11参照]〕【11.1.10】皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)【11.1.11】発熱(12.4%)〔本剤の投与日から翌日にかけて高頻度にGrade1~2の薬剤性の発熱が発現。必要に応じて解熱剤等による処置を考慮。また発熱が持続する場合や呼吸器症状を伴う場合には,肺障害の可能性について注意〕【11.1.12】可逆性後白質脳症症候群〔痙攣,血圧上昇,頭痛,意識障害,錯乱,視覚障害等が発現〕【11.1.13】進行性多巣性白質脳症〔本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し,意識障害,認知障害,麻痺症状(片麻痺,四肢麻痺),言語障害等の症状が現れた場合は,MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに投与中止〕 日本人における発現率(多発性骨髄腫を対象とした静脈内投与における国内臨床試験,特定使用成績調査及び使用成績調査,並びにマントル細胞リンパ腫,多発性骨髄腫及び全身性ALアミロイドーシスを対象とした国際共同試験(日本人症例のみ)の集計)

投与期間制限

なし

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