基本情報
最終更新日時:2024年3月22日12時23分

警告

<効能共通>【1.1】本剤とペントスタチンを併用しない。外国においてシクロホスファミドとペントスタチンとの併用により,心毒性が発現し死亡した症例が報告されている〔[2.1,10.1参照]〕【1.2】本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。適応患者の選択にあたっては,各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与する <造血幹細胞移植の前治療,造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制>【1.3】造血幹細胞移植に十分な知識と経験を有する医師のもとで行う【1.4】強い骨髄抑制により致命的な感染症等が発現するおそれがあるので,次につき十分注意する:(1.4.1)重症感染症を合併している患者には投与しない〔[2.3参照]〕 (1.4.2)本剤投与後,患者の観察を十分に行い,感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行う <全身性ALアミロイドーシス>【1.5】緊急時に十分対応できる医療施設において,本剤についての十分な知識と全身性ALアミロイドーシス治療の経験を持つ医師のもとで使用する <治療抵抗性のリウマチ性疾患>【1.6】緊急時に十分対応できる医療施設において,本剤についての十分な知識と治療抵抗性のリウマチ性疾患治療の経験を持つ医師のもとで行う

禁忌

【2.1】ペントスタチンを投与中〔[1.1,10.1参照]〕【2.2】本剤(成分)に重篤な過敏症の既往歴【2.3】重症感染症を合併している者〔特に造血幹細胞移植の前治療又は造血幹細胞移植に本剤を投与する場合は,感染症が増悪し致命的となるおそれ。[1.4.1参照]〕

併用禁忌

【10.1】ペントスタチン<コホリン>〔[1.1,2.1参照]〕〔造血幹細胞移植の患者で,本剤投与中にペントスタチンを単回投与したところ,錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫等が認められ,心毒性により死亡したとの報告。また,動物(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とシクロホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるイホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき,それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた/明らかな機序は不明。本剤は用量依存性の心毒性があり,ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。両剤の併用により心毒性が増強〕

効能・効果

次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解/多発性骨髄腫,悪性リンパ腫,肺癌,乳癌。急性白血病,真性多血症,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌,神経腫瘍(神経芽腫,網膜芽腫),骨腫瘍。他の抗悪性腫瘍剤との併用による次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解/慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,咽頭癌,胃癌,膵癌,肝癌,結腸癌,睾丸腫瘍,絨毛性疾患(絨毛癌,破壊胞状奇胎,胞状奇胎),横紋筋肉腫,悪性黒色腫。次の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法/乳癌(手術可能例における術前,又は術後化学療法)。褐色細胞腫。次の疾患における造血幹細胞移植の前治療/急性白血病,慢性骨髄性白血病,骨髄異形成症候群,重症再生不良性貧血,悪性リンパ腫,遺伝性疾患(免疫不全,先天性代謝障害,先天性血液疾患<Fanconi貧血,Wiskott Aldrich症候群,Hunter病等>)。造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制。腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置。全身性ALアミロイドーシス。治療抵抗性の次のリウマチ性疾患/全身性エリテマトーデス,全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症,結節性多発動脈炎,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,高安動脈炎等),多発性筋炎:皮膚筋炎,強皮症,混合性結合組織病,および血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患。

用法・用量

〔自覚的・他覚的症状の緩解〕単独投与成人1日1回100mg,連日静注。患者が耐えられる場合には1日200mgに増量。総量3,000~8,000mg投与。効果が認められた時はできる限り長期間持続。白血球数が減少してきた場合には2~3日おきに投与。正常の1/2以下に減少した時は一時休薬し,回復を待って再び継続投与。間欠的には300~500mg,週1~2回静注。必要に応じ筋注,胸腔内・腹腔内・腫瘍内注射又は注入。又,病巣部を灌流する主幹動脈内に1日量200~1,000mg,急速あるいは持続点滴注入可。体外循環を利用して1回1,000~2,000mg,局所灌流投与可。年齢・症状により適宜増減。他の抗悪性腫瘍剤と併用単独投与の場合に準じ,適宜減量。悪性リンパ腫は成人1日1回750mg/m2,間欠的に静注。年齢・症状により適宜増減。〔乳癌(併用療法)〕ドキソルビシン塩酸塩併用1日1回600mg/m2静注後,13日間又は20日間休薬。これを1クールとし,4クール繰り返す。年齢・症状により適宜減量。エピルビシン塩酸塩併用1日1回600mg/m2静注後,20日間休薬。これを1クールとし,4~6クール繰り返す。年齢・症状により適宜減量。エピルビシン塩酸塩,フルオロウラシル併用1日1回500mg/m2静注後,20日間休薬。これを1クールとし,4~6クール繰り返す。年齢・症状により適宜減量。〔褐色細胞腫〕ビンクリスチン硫酸塩,ダカルバジンと併用で成人1日1回750mg/m2,静注。少なくとも20日間休薬。これを1クールとし繰り返す。状態により適宜減量。〔造血幹細胞移植の前治療〕急性白血病,慢性骨髄性白血病,骨髄異形成症候群成人1日1回60mg/kg,2~3時間かけて点滴静注,連日2日間投与。重症再生不良性貧血,悪性リンパ腫成人1日1回50mg/kg,2~3時間かけて点滴静注,連日4日間投与。悪性リンパ腫は状態・併用する薬剤により適宜減量。遺伝性疾患1日1回50mg/kg,2~3時間かけて点滴静注,連日4日間投与,又は1日1回60mg/kg,2~3時間かけて点滴静注,連日2日間投与。疾患・状態により適宜減量。Fanconi貧血の場合,総投与量40mg/kg(5~10mg/kgを4日間)を超えない。〔造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制〕1日1回50mg/kg,2~3時間かけて点滴静注。移植後3日目及び4日目,又は移植後3日目及び5日目の2日間投与。状態により適宜減量。〔腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置〕再生医療等製品の用法・用量又は使用方法に基づき使用。〔全身性ALアミロイドーシス〕他の薬剤との併用で成人1回300mg/m2,週1回静注。上限量は1回500mg。〔リウマチ性疾患〕成人1日1回500~1000mg/m2,小児1日1回500mg/m2,静注。原則として投与間隔を4週間とする。年齢・症状により適宜増減。

用法・用量に関連する使用上の注意

造血幹細胞移植の前治療:投与終了後24時間は150mL/時以上の尿量を保つように1日3L以上の輸液投与とともに,メスナを併用。褐色細胞腫:本剤を含む化学療法実施前にα遮断薬等を投与。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー〔血圧低下,呼吸困難,喘鳴,蕁麻疹,不快感等が発現〕【11.1.2】骨髄抑制〔汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少,出血が発現。本剤投与期間中には末梢血液の観察を十分に行う。異常が認められた場合には,投与間隔の延長,減量,休薬。[8.1,9.1.1参照]〕【11.1.3】出血性膀胱炎,排尿障害〔造血幹細胞移植の前治療に,メスナ未使用で本剤を投与した場合,出血性膀胱炎の発現頻度が35%(肉眼的血尿)であったとの報告。[7.2,7.3,8.1,8.4参照]〕【11.1.4】イレウス,胃腸出血(5%未満)【11.1.5】間質性肺炎,肺線維症【11.1.6】心筋障害,心不全(5%未満),心タンポナーデ,心膜炎〔心筋障害,心不全,心タンポナーデ,心膜炎,心嚢液貯留が発現。特に本剤を高用量で投与する場合(造血幹細胞移植の前治療等)は,十分に注意〕【11.1.7】抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)〔低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が発現。投与中止。水分摂取の制限等を行う〕【11.1.8】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)【11.1.9】肝機能障害,黄疸〔[8.1参照]〕【11.1.10】急性腎障害〔急性腎障害等の重篤な腎障害が発現。[8.1参照]〕【11.1.11】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が発現〕

投与期間制限

なし

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