基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時9分

警告

【1.1】本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。適応患者の選択にあたっては,各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与する〔[7.5参照]〕【1.2】血清クレアチニンの高値(>2.0mg/dL)を示す敗血症症候群及び感染性ショックの患者で本剤の大量投与により死亡率を増加させたとの報告がある。投与に際しては患者の選択,用法及び用量に特に留意する〔[9.1.1,9.2.2参照]〕

禁忌

【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴【2.2】デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中〔[10.1参照]〕【2.3】免疫抑制が生じる量の本剤を投与中の者には生ワクチン又は弱毒生ワクチンを接種しない〔[10.1参照]〕

併用禁忌

【10.1】1)生ワクチン又は弱毒生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン,乾燥弱毒生風しんワクチン,乾燥BCGワクチン等)〔[2.3参照]〕〔ワクチン株の異常増殖又は毒性の復帰が現れるおそれ/免疫抑制が生じる量の副腎皮質ホルモン剤の投与を受けている者〕2)デスモプレシン酢酸塩水和物<ミニリンメルト>(男性における夜間多尿による夜間頻尿)〔[2.2参照]〕〔低ナトリウム血症が発現するおそれ/機序不明〕

効能・効果

急性循環不全(出血性ショック,感染性ショック)。腎臓移植に伴う免疫反応の抑制。受傷後8時間以内の急性脊髄損傷患者(運動機能障害及び感覚機能障害を有する場合)における神経機能障害の改善。ネフローゼ症候群。多発性硬化症の急性増悪。治療抵抗性の次のリウマチ性疾患/全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症,結節性多発動脈炎,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,高安動脈炎等),全身性エリテマトーデス,多発性筋炎,皮膚筋炎,強皮症,混合性結合組織病,難治性リウマチ性疾患。川崎病の急性期(重症であり,冠動脈障害の発生の危険がある場合)。気管支喘息。次の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法/再発又は難治性の悪性リンパ腫。

効能・効果に関連する使用上の注意

【1】ネフローゼ症候群・リウマチ性疾患:原則として経口副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン等)による適切な治療で効果不十分な場合に使用。【2】川崎病:静注用免疫グロブリン不応例又は静注用免疫グロブリン不応予測例に投与。

用法・用量

出血性ショック1回125~2,000mg,緩徐に静注又は点滴静注。症状が改善しない場合は適宜追加投与。感染性ショック成人1回1,000mg,緩徐に静注又は点滴静注。症状が改善しない場合は1,000mg追加投与。年齢・症状により適宜増減。免疫反応の抑制成人1日40~1,000mg,緩徐に静注又は点滴静注。年齢・症状により適宜増減。神経機能障害の改善受傷後8時間以内に,30mg/kg,15分間かけて点滴静注。その後45分間休薬し,5.4mg/kg/時,23時間点滴静注。ネフローゼ症候群・リウマチ性疾患成人1日500~1,000mg,小児1日30mg/kg(最大1,000mg),緩徐に静注又は点滴静注。小児のリウマチ性疾患は症状・患者の反応により適宜増減。多発性硬化症の急性増悪成人1日500~1,000mg,緩徐に静注又は点滴静注。川崎病1日1回30mg/kg(最大1000mg),状態に応じて1~3日間点滴静注。気管支喘息成人初回40~125mg,緩徐に静注又は点滴静注。症状により,40~80mg,4~6時間ごとに緩徐に追加。小児1~1.5mg/kg,緩徐に静注又は点滴静注。症状により,1~1.5mg/kg,4~6時間ごとに緩徐に追加。悪性リンパ腫他の抗悪性腫瘍剤と併用。1日1回250~500mg,5日間緩徐に静注又は点滴静注。これを1コースとし,3~4週ごとに繰り返す。

用法・用量に関連する使用上の注意

悪性リンパ腫:関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】ショック(0.08%)〔呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがある。投与中止。血圧の維持,体液の補充管理,気道の確保等を行う〕【11.1.2】心停止,循環性虚脱,不整脈〔本剤の高用量を急速静注することにより,心停止,循環性虚脱,不整脈等が現れたとの報告。本剤の高用量を使用する場合には緩徐に投与。[8.1参照]〕【11.1.3】感染症(2.54%)〔ウイルス,細菌,真菌,原虫,寄生虫等による感染症の誘発又は徴候の隠蔽,感染症の悪化等が発現。これらの感染症の発現頻度は,副腎皮質ホルモン剤を増量すると高くなるとの報告がある。抗菌剤等による適切な処置を行う。[9.1.1,9.1.4-9.1.6,9.1.20参照]〕【11.1.4】続発性副腎皮質機能不全〔直ちに再投与又は増量〕【11.1.5】骨粗鬆症,骨頭無菌性壊死(0.36%)〔脊椎圧迫骨折,病的骨折を起こすことがある。また,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死が現れることがある。疼痛等の症状の観察を十分に行う。異常が認められた場合にはMRI等の検査を実施。投与中止。[9.1.7参照]〕【11.1.6】胃腸穿孔(0.02%),消化管出血(0.8%),消化性潰瘍(0.02%)〔便潜血のチェック等の観察を十分に行う。[9.1.2参照]〕【11.1.7】ミオパチー〔連用によりミオパチーが発現。また,非脱分極性筋弛緩剤との併用又は重症筋無力症等の神経筋接合部位障害のある患者において短期間でミオパチーが現れ,四肢麻痺に至ったことが報告。筋力低下,CKの上昇等の観察を十分に行う〕【11.1.8】血栓症〔心筋梗塞,腸間膜動脈血栓症等の血栓症が発現。また,血液凝固能亢進に伴って血小板減少が生じることがある。[9.1.15参照]〕【11.1.9】頭蓋内圧亢進,痙攣【11.1.10】精神変調(0.06%),うつ状態(0.02%)〔[9.1.8参照]〕【11.1.11】糖尿病(3.95%)〔[9.1.3参照]〕【11.1.12】緑内障,後嚢白内障(0.09%),中心性漿液性脈絡網膜症,多発性後極部網膜色素上皮症〔連用により眼圧上昇,緑内障,後嚢白内障(症状:眼のかすみ),中心性漿液性脈絡網膜症・多発性後極部網膜色素上皮症(症状:視力の低下,ものがゆがんで見えたり小さく見えたり,視野の中心がゆがんで見えにくくなる。中心性漿液性脈絡網膜症では限局性の網膜剥離がみられ,進行すると広範な網膜剥離を生じる多発性後極部網膜色素上皮症となる)を来すことがある。[8.4,9.1.9,9.1.10参照]〕【11.1.13】気管支喘息〔喘息発作の誘発又は悪化が発現。[9.1.17参照]〕【11.1.14】心破裂〔急性心筋梗塞を起こした患者で,心破裂が現れたとの報告。[9.1.1参照]〕【11.1.15】膵炎(0.03%)〔出血性膵炎等の膵炎が発現。投与中止。輸液等を行う〕【11.1.16】うっ血性心不全(0.02%)〔異常が認められた場合には心電図等の検査を実施。投与中止。[9.1.11参照]〕【11.1.17】食道炎【11.1.18】カポジ肉腫【11.1.19】腱断裂〔アキレス腱等の腱断裂が現れたとの報告〕【11.1.20】肝機能障害(1.21%),黄疸〔AST,ALT,ALPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸が発現〕【11.1.21】腫瘍崩壊症候群〔リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合,腫瘍崩壊症候群が発現。適切な処置(生理食塩液,高尿酸血症治療剤等の投与,透析等)を行う。[8.5参照]〕

投与期間制限

なし

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