基本情報
最終更新日時:2024年3月22日12時23分

警告

【1.1】本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。適応患者の選択にあたっては,各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与する【1.2】本剤は従来の経口フルオロウラシル系薬剤とは投与制限毒性(Dose Limiting Toxicity,DLT)が骨髄抑制という点で異なり,特に臨床検査値に十分注意する必要がある。頻回に臨床検査を実施する〔[7.2,8.1,8.4,9.1.1,11.1.1参照]〕【1.3】劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,肝障害の早期発見に努める。肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し,黄疸(眼球黄染)が現れた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行う〔[7.2,8.4,11.1.3参照]〕【1.4】他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤,これらの薬剤との併用療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法等),あるいは抗真菌剤フルシトシンとの併用により,重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので,併用を行わない〔[2.5,2.6,10.1,16.7参照]〕

禁忌

【2.1】本剤(成分)に重篤な過敏症の既往歴【2.2】重篤な骨髄抑制〔骨髄抑制が増強するおそれ〕【2.3】重篤な腎障害〔フルオロウラシルの異化代謝酵素阻害剤ギメラシルの腎排泄が著しく低下し,血中フルオロウラシル濃度が上昇し,骨髄抑制等の副作用が強く現れるおそれ。[9.2.1,16.6.1参照]〕【2.4】重篤な肝障害〔肝障害が悪化するおそれ。[9.3.1参照]〕【2.5】他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(これらの薬剤との併用療法を含む)を投与中〔[1.4,10.1,16.7参照]〕【2.6】フルシトシンを投与中〔[1.4,10.1,16.7参照]〕【2.7】妊婦・妊娠の可能性〔[9.5参照]〕

併用禁忌

【10.1】1)フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(フルオロウラシル<5-FU等>,テガフール・ウラシル配合剤<ユーエフティ等>,テガフール<フトラフール等>,ドキシフルリジン<フルツロン>,カペシタビン<ゼローダ>)〔[1.4,2.5,16.7参照]〕〔併用により早期に重篤な血液障害や下痢,口内炎等の消化管障害等が発現するおそれ。なお,本剤投与中止後においても少なくとも7日間はこれらの薬剤(療法)を投与しない。また,これらの薬剤の投与中止後に本剤を投与する場合にはこれらの薬剤の影響を考慮し,適切な間隔をあけてから本剤の投与を開始する/本剤中のギメラシルにより,併用されたフルオロウラシルあるいは併用されたこれらフッ化ピリミジンから生成されたフルオロウラシルの異化代謝が阻害され,著しく血中フルオロウラシル濃度が上昇〕2)ホリナート・テガフール・ウラシル療法<ユーゼル・ユーエフティ等>,レボホリナート・フルオロウラシル療法<アイソボリン・5-FU等>〔[1.4,2.5,16.7参照]〕〔併用により早期に重篤な血液障害や下痢,口内炎等の消化管障害等が発現するおそれ。なお,本剤投与中止後においても少なくとも7日間はこれらの薬剤(療法)を投与しない。また,これらの薬剤の投与中止後に本剤を投与する場合にはこれらの薬剤の影響を考慮し,適切な間隔をあけてから本剤の投与を開始する/本剤中のギメラシルにより,併用されたフルオロウラシルあるいは併用されたこれらフッ化ピリミジンから生成されたフルオロウラシルの異化代謝が阻害され,著しく血中フルオロウラシル濃度が上昇〕3)フッ化ピリミジン系抗真菌剤(フルシトシン<アンコチル>)〔[1.4,2.6,16.7参照]〕〔併用により早期に重篤な血液障害や下痢,口内炎等の消化管障害等が発現するおそれ。なお,本剤投与中止後においても少なくとも7日間はこれらの薬剤(療法)を投与しない。また,これらの薬剤の投与中止後に本剤を投与する場合にはこれらの薬剤の影響を考慮し,適切な間隔をあけてから本剤の投与を開始する/本剤中のギメラシルにより,併用されたフルオロウラシルあるいは併用されたこれらフッ化ピリミジンから生成されたフルオロウラシルの異化代謝が阻害され,著しく血中フルオロウラシル濃度が上昇〕

効能・効果

胃癌,結腸・直腸癌,頭頸部癌,非小細胞肺癌,手術不能又は再発乳癌,膵癌,胆道癌,ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法。

用法・用量

〔乳癌における術後薬物療法〕内分泌療法剤と併用で,初回基準量(1回量)1.25m2未満40mg,1.25~1.5m2未満50mg,1.5m2以上60mg,朝・夕食後,1日2回14日間連日経口投与。その後7日間休薬。これを1コースとし最長1年間繰り返す。状態により適宜増減。初回基準量を超える増量は行わない。〔その他〕胃癌,非小細胞肺癌はA法,B法又はC法。結腸・直腸癌はA法,C法又はD法。頭頸部癌,手術不能又は再発乳癌はA法。膵癌はA法又はC法。胆道癌はA法,E法又はF法。A法~E法の初回基準量(1回量)は1.25m2未満40mg,1.25~1.5m2未満50mg,1.5m2以上60mg。F法の初回基準量(1回量)は1.25m2未満朝40mg・夕20mg,1.25~1.5m2未満40mg,1.5m2以上50mg。A法初回基準量を朝・夕食後,1日2回28日間連日経口投与。その後14日間休薬。状態により適宜増減。増量は本剤によると判断される臨床検査値異常(血液検査,肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず,安全性に問題がなく,増量できると判断される場合に初回基準量から一段階までとし,1回75mgまで。B法初回基準量を朝・夕食後,1日2回21日間連日経口投与。その後14日間休薬。状態により適宜減量。C法初回基準量を朝・夕食後,1日2回14日間連日経口投与。その後7日間休薬。状態により適宜減量。D法初回基準量を朝・夕食後,1日2回14日間連日経口投与。その後14日間休薬。状態により適宜減量。E法初回基準量を朝・夕食後,1日2回7日間連日経口投与。その後7日間休薬。状態により適宜減量。F法初回基準量を朝・夕食後,1日2回14日間連日経口投与。その後7日間休薬。状態により適宜減量。以上,各々1コースとし繰り返す。

用法・用量に関連する使用上の注意

【1】治療上やむを得ず休薬期間を短縮する必要がある場合,本剤によると判断される臨床検査値異常(血液検査,肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず,安全性に問題がないことを確認した上で実施。ただし少なくとも7日間の休薬期間を設ける(手術不能又は再発乳癌で短縮した場合の安全性未確立)。【2】胃癌,結腸・直腸癌,頭頸部癌,非小細胞肺癌,手術不能又は再発乳癌,膵癌,胆道癌:A法で患者の状態に合わせて増減する場合,次の1回量を参考とする/(初回基準量40mg)増量は50mg・減量は休薬,(初回基準量50mg)増量は60mg・減量は40mg→休薬,(初回基準量60mg)増量は75mg・減量は50mg→40mg→休薬。増量は1コースごととし,一段階の増量にとどめる。【3】乳癌における術後補助療法:クレアチニンクリアランスが50~80mL/分未満の場合,次の1回量で開始/体表面積1.25m2未満は朝20mg・夕40mg,1.25~1.5m2未満は40mg,1.5m2以上は50mg。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】骨髄抑制,溶血性貧血〔汎血球減少,無顆粒球症(症状:発熱,咽頭痛,倦怠感等),白血球減少(46.7%),貧血,血小板減少(15.7%)等の重篤な骨髄抑制,溶血性貧血が発現。[1.2,7.2,8.1,9.1.1,9.1.2参照]〕【11.1.2】播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.4%)〔血小板数,血清FDP値,血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与中止。[8.1参照]〕【11.1.3】劇症肝炎等の重篤な肝障害〔劇症肝炎等の重篤な肝障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)が発現。[1.3,7.2,8.3,9.1.7参照]〕【11.1.4】脱水症状〔激しい下痢が現れ,脱水症状まで至ることがある。投与中止。補液等を行う〕【11.1.5】重篤な腸炎(0.5%)〔出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎等が発現。激しい腹痛・下痢等の症状が現れた場合には投与中止〕【11.1.6】間質性肺炎(0.3%)〔間質性肺炎(初期症状:咳嗽,息切れ,呼吸困難,発熱等)が発現。投与中止。胸部X線等の検査を行う。ステロイド治療等を行う。[8.2,9.1.4参照]〕【11.1.7】心筋梗塞,狭心症,不整脈,心不全〔心筋梗塞,狭心症,不整脈(心室頻拍等を含む),心不全が発現。胸痛,失神,動悸,心電図異常,息切れ等が認められた場合には投与中止。[9.1.5参照]〕【11.1.8】重篤な口内炎,消化管潰瘍(0.5%),消化管出血(0.3%),消化管穿孔〔投与中止。腹部X線等の必要な検査を行う。[9.1.6参照]〕【11.1.9】急性腎障害,ネフローゼ症候群【11.1.10】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)【11.1.11】白質脳症等を含む精神神経障害〔白質脳症(意識障害,小脳失調,認知症様症状等を主症状とする)や意識障害,失見当識,傾眠,記憶力低下,錐体外路症状,言語障害,四肢麻痺,歩行障害,尿失禁,知覚障害等が発現〕【11.1.12】急性膵炎〔腹痛,血清アミラーゼ値の上昇等が現れた場合には投与中止〕【11.1.13】横紋筋融解症〔筋肉痛,脱力感,CK上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が発現。また,横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意〕【11.1.14】嗅覚脱失〔嗅覚障害(0.1%)が発現。嗅覚脱失まで至ることがある〕【11.1.15】涙道閉塞〔外科的処置に至った例が報告。流涙等の症状が現れた場合には,眼科的検査を実施〕【11.1.16】肝硬変(プロトロンビン時間延長,アルブミン低下,コリンエステラーゼ低下等)

投与期間制限

なし

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