基本情報
最終更新日時:2022年4月4日14時37分

警告

【1.1】本剤の投与により進行性多巣性白質脳症(PML),ヘルペス脳炎又は髄膜炎等が現れ,死亡又は重度の障害に至った例が報告されている。これらの情報を患者に十分に説明し同意を得た上で,本剤による治療が適切と判断される場合にのみ投与する。また,本剤による治療においては,これらの副作用により致命的な経過をたどることがあるので,PML等の重篤な副作用に十分対応できる医療施設において,本剤の安全性及び有効性についての十分な知識と多発性硬化症の治療経験をもつ医師のもとで投与する〔[2.2-2.4,8.1,9.1.1-9.1.3,11.1.1,11.1.2参照]〕【1.2】PML発症のリスク因子として,抗JCウイルス(JCV)抗体陽性であること,免疫抑制剤による治療歴を有することが報告されている。本剤の投与開始に際しては,これらのリスク因子の有無を確認し,治療上の有益性が危険性を上回るか慎重に判断する。また,抗JCV抗体が陽性の患者においては,本剤の長期間の投与もPML発症のリスク因子となることが報告されているため,投与中は定期的に治療上の有益性と危険性を評価し,投与継続の適切性について慎重に判断する〔[2.2,8.1,9.1.1,11.1.1参照]〕【1.3】本剤の投与に際しては,PMLを示唆する徴候・症状(片麻痺,四肢麻痺,認知機能障害,失語症,視覚障害等)の発現に十分注意し,そのような徴候・症状が現れた場合は直ちに投与を中断し,PMLの発症の有無を確認する。なお,PMLの発症が確認できなかったが疑いが残る場合には,本剤の投与を再開せず,再検査を実施する〔[2.2,8.1,9.1.1,11.1.1参照]〕

禁忌

【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴〔[11.1.3参照]〕【2.2】進行性多巣性白質脳症(PML)・その既往歴〔PMLが増悪又は再発するおそれ。[1.1-1.3,8.1,11.1.1参照]〕【2.3】免疫不全又は免疫抑制剤の使用等により高度の免疫抑制状態〔PMLを含む感染症が誘発されるおそれ。[1.1,8.1,11.1.1,11.1.2参照]〕【2.4】重篤な感染症を合併している者〔感染症が増悪し致命的となるおそれ。[1.1,11.1.2参照]〕

効能・効果

多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制。

効能・効果に関連する使用上の注意

他の多発性硬化症治療薬で効果不十分又は忍容性に問題があると考えられる場合,又は疾患活動性が高い場合にのみ使用。

用法・用量

1回300mg,4週に1回,1時間かけて点滴静注。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】進行性多巣性白質脳症(PML)(0.4%),小脳顆粒細胞障害(granule cell neuronopathy:GCN)〔本剤の投与期間中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察。片麻痺,四肢麻痺,認知機能障害,失語症,視覚障害,小脳症状(運動失調,眼振等)等の症状が現れた場合は直ちに投与中断。MRIによる画像診断,脳脊髄液検査等によりPML発症の有無を確認するとともに,最新のガイドライン等を参考にし,血漿交換等の処置を行う。また,本剤投与患者でJCVによるGCNが報告。小脳症状が現れた場合はGCNの可能性があることに留意。また,本剤投与中止後又は血漿交換による本剤除去後は免疫再構築炎症反応症候群の発症に十分注意。[1.1-1.3,2.2,2.3,8.1,9.1.1参照]〕【11.1.2】感染症(11.9%)〔日和見感染症,ヘルペス感染を含む感染症が発現。重篤な感染症が認められた場合には休薬又は投与中止。海外市販後には,ヘルペス脳炎又は髄膜炎等が現れ,死亡又は重度の障害に至った例が報告。[1.1,2.3,2.4,8.1,9.1.2,9.1.3参照]〕【11.1.3】過敏症(3.6%)〔アナフィラキシー等の重篤な事象を含め,低血圧,高血圧,胸痛,胸部不快感,呼吸困難,発疹,蕁麻疹等の過敏症の症状が発現。直ちに投与中止。臨床試験においてそれらの反応の多くは投与開始から2時間以内に発現。[2.1,8.2,8.4参照]〕【11.1.4】肝障害(0.2%)〔肝硬変,肝不全,脂肪肝,黄疸等の重篤な肝障害がまれに発現。[8.3参照]〕【11.1.5】急性網膜壊死(acute retinal necrosis:ARN)〔視力低下,霧視,結膜充血,眼痛等の症状が発現。直ちに投与中断。眼科的検査等によりARN発症の有無を確認。[8.5参照]〕

投与期間制限

なし

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