基本情報
最終更新日時:2023年4月6日12時49分

警告

【1.1】本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてのみ実施する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与する【1.2】骨髄抑制(主に好中球減少)等の重篤な副作用が起こることがあるので,頻回に臨床検査(血液検査,肝機能検査,腎機能検査等)を行うなど,患者の状態を十分に観察する〔[7.1,8.5,9.1.1,11.1.1参照]〕【1.3】本剤の投与方法,適応症,薬物動態等が他のパクリタキセル製剤と異なることを理解して投与する

禁忌

【2.1】重篤な骨髄抑制〔骨髄抑制は用量制限毒性(Dose Limiting Toxicity)であり,感染症を伴い,重篤化するおそれ〕【2.2】感染症を合併している者〔骨髄抑制により,感染症を増悪させるおそれ〕【2.3】本剤・パクリタキセル,アルブミンに過敏症の既往歴【2.4】妊婦・妊娠の可能性〔[9.5参照]〕

効能・効果

乳癌,胃癌,非小細胞肺癌,治癒切除不能な膵癌。

用法・用量

乳癌はA法又はE法,胃癌はA法又はD法,非小細胞肺癌はB法,膵癌はC法を使用。A法1日1回260mg/m2,30分かけて点滴静注し,少なくとも20日間休薬。B法1日1回100mg/m2,30分かけて点滴静注し,少なくとも6日間休薬。週1回投与を3週間連続。C法ゲムシタビンと併用で1日1回125mg/m2,30分かけて点滴静注し,少なくとも6日間休薬。週1回投与を3週間連続し,4週目は休薬。D法1日1回100mg/m2,30分かけて点滴静注し,少なくとも6日間休薬。週1回投与を3週間連続し,4週目は休薬。E法他の抗悪性腫瘍剤と併用で1日1回100mg/m2,30分かけて点滴静注し,少なくとも6日間休薬。週1回投与を3週間連続し,4週目は休薬。以上,各々1コースとして繰り返す。状態により適宜減量。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】白血球減少などの骨髄抑制〔好中球減少(51.9%),白血球減少(29.6%),リンパ球減少(6.1%),貧血(ヘモグロビン減少(31.4%),ヘマトクリット値減少(1.1%),赤血球減少(1.1%)等),血小板減少(17.7%),汎血球減少(0.3%)等が発現。また,骨髄抑制の持続により,発熱性好中球減少症(2.9%)等の感染症の併発が報告。[1.2,7.1,8.5,9.1.1参照]〕【11.1.2】感染症〔好中球減少の有無にかかわらず敗血症(0.8%)等の感染症が現れ,死亡に至る例が報告。異常が認められた場合には,抗菌薬の投与を行う〕【11.1.3】末梢神経障害(60.8%),麻痺〔しびれなどの末梢神経障害,麻痺,片麻痺,不全麻痺が発現。[7.1,8.6参照]〕【11.1.4】脳神経麻痺(0.1%未満)〔顔面神経麻痺,声帯麻痺等の脳神経麻痺が発現〕【11.1.5】ショック,アナフィラキシー(0.4%)〔呼吸困難,胸痛,低血圧,頻脈,徐脈,潮紅,血管浮腫,発汗等の異常が認められた場合には投与中止。[8.7参照]〕【11.1.6】間質性肺疾患(1.6%)〔発熱,咳嗽,呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与。[9.1.2参照]〕【11.1.7】急性呼吸窮迫症候群(0.1%未満)〔急速に進行する呼吸困難,低酸素症,両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与中止〕【11.1.8】心筋梗塞(0.2%),うっ血性心不全(0.4%),心伝導障害(0.1%未満)【11.1.9】脳卒中(0.1%未満),肺塞栓(0.2%),肺水腫(0.1%),血栓性静脈炎(0.2%)【11.1.10】難聴(0.1%未満),耳鳴(0.3%)【11.1.11】消化管壊死,消化管穿孔,消化管出血(0.6%),消化管潰瘍(0.3%)【11.1.12】重篤な腸炎(0.6%)〔出血性大腸炎,偽膜性大腸炎,虚血性大腸炎等が発現。激しい腹痛・下痢等が現れた場合には投与中止〕【11.1.13】腸管閉塞(0.2%),腸管麻痺〔腸管閉塞,腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹痛,腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し,麻痺性イレウスに移行することがある。腸管閉塞,腸管麻痺が現れた場合には投与中止。腸管減圧法等を行う〕【11.1.14】肝機能障害(1.3%),黄疸(0.1%)【11.1.15】膵炎(0.1%未満)〔血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与中止〕【11.1.16】急性腎障害(0.3%)〔BUN,血清クレアチニン,クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与中止〕【11.1.17】中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)【11.1.18】播種性血管内凝固症候群(DIC)〔血小板数,血清FDP値,血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与中止〕

投与期間制限

なし

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