創部の保護及び治癒の促進に用いること(真皮を越える創傷に用いるものを除く。)。
1. 前処置
(1) 本品を被覆する前に、創を生理食塩液等にて通常の方法により十分洗浄する。必要に応じて創の消毒や壊死組織などのデブリドマンを行う。
(2) 創の周囲を十分に乾燥させる。
2. 使用方法
(1) 創の辺縁部より2cmほど大きく、周辺皮膚も十分に覆うことが出来る適切な製品サイズを選ぶ。創の形状に応じて本品を切断して使用することもできる。
(2) 本品を滅菌袋から取り出し、剥離フィルムを剥がす。
(3) 接着面を創面に向けて被覆する。被覆する時には、伸ばしたり、端にしわが入ったりしないように注意する。さらに固定が必要な場合、包帯や各種固定材にて固定する。
(4) 本品を除去する場合には、一角をそっと持ち上げ、ゆっくりと剥がす。
3. 交換時期
(1) 本品は、創部とその周辺皮膚の状態、または治療方針に従って数日間被覆できるが、交換の目安として、滲出液の漏れが起こる前に交換する。また、7日間を限度として交換すること。
(2) 治療法を変更した後、最初は一時的に滲出液の増加を引き起こす可能性がある。その場合はより短期間で交換すること。
重要な基本的注意
1. 使用中、創に本品が原因と推察される臨床的感染が起きた場合には使用を中止し、適切な治療を行う。また、患者の全身状態の悪化、全身管理の不足等によっても、創に感染症状があらわれることがある。感染の兆候に十分注意し、臨床的感染が認められた場合には、原則として使用を中止し、適切な治療を行うこと。
2. 本品使用中に皮膚障害と思われる症状が現れた場合には、使用を中止し、適切な治療を行うこと。
3. 創周辺部に粘着剤による発赤や滲出液の貯留による浸軟が起こる場合がある。また、皮膚剥離を起こす場合もあるので、本品の使用時には十分な観察を行い、本品の関与が否定できない異常が見られた場合には直ちに使用を中止し、適切な治療を行うこと。
4. 筋肉、腱、骨に至る損傷のある褥創には使用しないこと。
5. 創を十分に観察し、滲出液の量や創の状態に合わせて適切に交換すること。
6. 本品は局所的な使用に限られるため、患者の体位変換、栄養状態の改善は引き続き必要である。特に、褥創の患者の場合、製品の使用開始後も全身管理を続ける必要がある。
7. 次亜塩素酸塩溶液や過酸化水素などの酸化剤と併用しないこと。
8. 十分な観察の下に使用し、30日を超える長期使用は避けること。
9. 20×50cmのサイズを使用する場合は、本品と創部の間に隙間ができないように十分に密着させて患部を被覆すること。
10. 本品は、血流が十分に確保できている創傷に使用すること。
本品の使用に伴い、以下のような不具合および有害事象発生の可能性がある。頻度および重篤度は様々であり、場合によっては、外科的処置等を含む侵襲的な処置を行う必要性も考えられる。但し、以下に限定されるものではない。
・創の感染症状
・創傷及び周囲の皮膚障害(表皮剥離、浸軟、浮腫、水泡、発赤、びらん、そう痒、アレルギー、接触性皮膚炎)
・固着
・壊死組織の増加
・疼痛
なし