基本情報
最終更新日時:2024年11月7日16時51分

警告

【1.1】本剤の投与は,統合失調症の診断,治療に精通し,無顆粒球症,心筋炎,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡等の重篤な副作用に十分に対応でき,かつクロザリル患者モニタリングサービス(Clozaril Patient Monitoring Service:CPMS)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において,登録患者に対して,血液検査等のCPMSに定められた基準がすべて満たされた場合にのみ行う。また,基準を満たしていない場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を講じる〔[2.3,8.1,11.1.1,11.1.2,11.1.4参照]〕【1.2】本剤の投与に際しては,治療上の有益性が危険性を上回っていることを常に検討し,投与の継続が適切であるかどうか定期的に判断する【1.3】糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡等の死亡に至ることのある重大な副作用が発現するおそれがあるので,本剤投与中はCPMSに準拠して定期的に血糖値等の測定を行う。また,臨床症状の観察を十分に行い,高血糖の徴候・症状に注意するとともに,糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行う。特に,糖尿病またはその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。なお,糖尿病性ケトアシドーシスまたは糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与を中止し,インスリン製剤を投与するなど適切な処置を行う〔[8.6,8.7,9.1.1,9.1.2,11.1.4参照]〕【1.4】本剤の投与にあたっては,患者又は代諾者に本剤の有効性および危険性を文書によって説明し,文書で同意を得てから投与を開始する。また,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡等の耐糖能異常に関しては,口渇,多飲,多尿,頻尿等の症状の発現に注意し,異常が認められた場合には,直ちに医師の診察を受けるよう指導する〔[8.6,8.7,9.1.1,9.1.2,11.1.4参照]〕【1.5】無顆粒球症等の血液障害は投与初期に発現する例が多いので,原則として投与開始後18週間は入院管理下で投与を行い,無顆粒球症等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行う〔[8.11,11.1.1参照]〕

禁忌

【2.1】本剤(成分)に過敏症の既往歴【2.2】CPMSへの患者登録前(4週間以内)の血液検査で,白血球数が4,000/mm3未満又は好中球数が2,000/mm3未満〔無顆粒球症が発現するおそれ〕【2.3】CPMSの規定を遵守できない者〔[1.1,8.1参照]〕【2.4】CPMSで定められた血液検査の中止基準により本剤の投与を中止し,CPMSで定められた再投与検討基準に該当しない者〔無顆粒球症が発現するおそれ。[8.2.5,9.1.3参照]〕【2.5】骨髄機能障害〔骨髄機能が悪化し,無顆粒球症が発現するおそれ〕【2.6】骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤を投与中,放射線療法・化学療法等の骨髄抑制を起こす可能性のある治療を行っている者〔[10.1参照]〕【2.7】持効性抗精神病剤を投与中〔[10.1参照]〕【2.8】重度の痙攣性疾患又は治療により十分な管理がされていないてんかん患者〔症状が悪化するおそれ〕【2.9】アルコール又は薬物による急性中毒,昏睡状態〔これらの状態を悪化させるおそれ〕【2.10】循環虚脱状態又は中枢神経抑制状態〔これらの状態を悪化させるおそれ〕【2.11】重度の心疾患(心筋炎等)〔心疾患が悪化するおそれ〕【2.12】重度の腎機能障害〔腎機能が悪化するおそれ。[9.2.1参照]〕【2.13】重度の肝機能障害〔肝機能が悪化するおそれ。[9.3.1参照]〕【2.14】麻痺性イレウス〔抗コリン作用により症状が悪化するおそれ〕【2.15】アドレナリン作動薬を投与中(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療,又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)〔[10.1,13.2参照]〕

併用禁忌

【10.1】1)骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤,放射線療法,化学療法〔[2.7参照]〕〔無顆粒球症の発現が増加するおそれ/血液障害の副作用が相互に増強〕2)持効性抗精神病剤(ハロペリドールデカン酸エステル注射液<ハロマンス,ネオペリドール>,フルフェナジンデカン酸エステル注射液<フルデカシン>,リスペリドン持効性懸濁注射液<リスパダール コンスタ>,パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液<ゼプリオン>,アリピプラゾール水和物持続性注射剤<エビリファイ持続性水懸筋注用>)〔[2.8参照]〕〔副作用発現に対し速やかに対応できないため,血中から薬剤が消失するまで本剤を投与しない/血中から消失するまでに時間を要する〕3)アドレナリン作動薬(アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療,又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)<ボスミン>,ノルアドレナリン<ノルアドレナリン>)〔[2.16,13.2参照]〕〔アドレナリンの作用を反転させ,重篤な血圧低下を起こすおそれ/本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり,血圧上昇作用が減弱,アドレナリンの昇圧作用が反転〕

効能・効果

治療抵抗性統合失調症。

用法・用量

初日12.5mg,2日目25mg,1日1回経口投与。3日目以降は症状により1日25mgずつ,原則3週間かけて1日200mgまで増量。1日量50mgを超える場合,2~3回分割投与。維持量1日200~400mg,2~3回分割経口投与。症状により適宜増減。1回の増量は4日以上の間隔をあけ,増量幅1日100mgを超えない。1日最高600mg。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】無顆粒球症,白血球減少症(各2.6%),好中球減少症(7.8%)〔通常,投与中止により回復するが,致死的な転帰をたどる可能性もある。[1.1,1.5,8.2,9.1.5参照]〕【11.1.2】心筋炎,心筋症,心膜炎(1.3%),心嚢液貯留(5.2%)〔死亡例も報告。安静時の持続性頻脈,動悸,不整脈,胸痛や心不全の症状又は徴候(原因不明の疲労,呼吸困難,頻呼吸等)が認められた場合には循環器内科医と相談。投与中止。また,投与初期により多く報告されているので,投与初期及び増量時には患者の状態を注意深く観察。[1.1参照]〕【11.1.3】胸膜炎〔感染を伴わない胸膜炎が発現。呼吸困難,発熱,胸痛等が現れた場合には速やかに胸部X線検査等を実施。異常が認められた場合には感染症等との鑑別診断を行う。投与中止〕【11.1.4】高血糖(9.1%),糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡〔高血糖が現れ,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡から死亡に至った例も報告。臨床症状の観察を十分に行い,口渇,多飲,多尿,頻尿等の症状の発現に注意し,異常が認められた場合には速やかに糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行う。また,糖尿病性ケトアシドーシス又は糖尿病性昏睡の徴候が認められた場合には投与中止。インスリン製剤を投与。[1.1,1.3,1.4,8.6,8.7,9.1.1,9.1.2参照]〕【11.1.5】悪性症候群(1.3%)〔無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合には投与中止。体冷却,水分補給等の全身管理を行う。本症発症時には,白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお,高熱が持続し,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎障害へと移行し,死亡した例が報告〕【11.1.6】てんかん発作(1.3%),痙攣(2.6%),ミオクローヌス発作(1.3%)〔本剤は用量依存的に痙攣閾値低下をもたらし,脳波変化を生じ,痙攣発作を引き起こすおそれがある。特にてんかんの既往歴のある患者では注意深く観察を行い,本剤の急激な増量を行わない。減量又は中止。抗痙攣剤を投与。[9.1.6参照]〕【11.1.7】起立性低血圧(15.6%),失神,循環虚脱〔起立性低血圧,失神が発現。循環虚脱から心停止,呼吸停止に至ることもある。投与初期の漸増を行う時期に急激に増量した場合により多くみられるため,注意深く観察する〕【11.1.8】肺塞栓症,深部静脈血栓症〔肺塞栓症,深部静脈血栓症等の血栓塞栓症が発現。死亡に至った例も報告。息切れ,胸痛,四肢の疼痛,浮腫等が認められた場合には投与中止。[9.1.11参照]〕【11.1.9】劇症肝炎,肝炎,胆汁うっ滞性黄疸【11.1.10】腸閉塞(5.2%),麻痺性イレウス,腸潰瘍,腸管穿孔〔本剤の抗コリン作用により腸閉塞,麻痺性イレウス,腸潰瘍,腸管穿孔が現れ,死亡に至った例も報告。便秘等の異常が認められた場合には適切な処置を行う〕

投与期間制限

なし

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