基本情報
最終更新日時:2023年4月6日12時48分

警告

<心不全及び肝硬変における体液貯留>【1.1】本剤投与により,急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症をきたし,意識障害に至った症例が報告されており,また,急激な血清ナトリウム濃度の上昇による浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあることから,入院下で投与を開始又は再開する。また,特に投与開始日又は再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定する〔[8.8,8.12,9.1.3,11.1.3,11.1.4参照]〕 <SIADHにおける低ナトリウム血症>【1.2】本剤投与により,急激な血清ナトリウム濃度の上昇による浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあることから,入院下で投与を開始,増量又は再開し,急激な血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には適切な処置を行う。特に投与開始日,増量日又は再開日には水分制限を解除し,血清ナトリウム濃度を頻回に測定する〔[8.14,9.1.3,11.1.4参照]〕【1.3】本剤投与中は血清ナトリウム濃度をモニタリングしながら,患者ごとに飲水量を調節し,適切な水分制限を指導する〔[8.14,9.1.3,11.1.4参照]〕 <常染色体優性多発性嚢胞腎>【1.4】本剤は,常染色体優性多発性嚢胞腎について十分な知識をもつ医師のもとで,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。また,本剤投与開始に先立ち,本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことや重篤な肝機能障害が発現するおそれがあること,適切な水分摂取及び定期的な血液検査等によるモニタリングの実施が必要であることを含め,本剤の有効性及び危険性を患者に十分に説明し,同意を得る【1.5】特に投与開始時又は漸増期において,過剰な水利尿に伴う脱水症状,高ナトリウム血症などの副作用が現れるおそれがあるので,少なくとも本剤の投与開始は入院下で行い,適切な水分補給の必要性について指導する。また,本剤投与中は少なくとも月1回は血清ナトリウム濃度を測定する〔[8.21,11.1.3参照]〕【1.6】本剤の投与により,重篤な肝機能障害が発現した症例が報告されていることから,血清トランスアミナーゼ値及び総ビリルビン値を含めた肝機能検査を必ず本剤投与開始前及び増量時に実施し,本剤投与中は少なくとも月1回は肝機能検査を実施する。また,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行う〔[2.8,8.18,8.19,11.1.5,15.1.1参照]〕

禁忌

<効能共通>【2.1】本剤(成分)・類似化合物(トルバプタンリン酸エステルナトリウム等)に過敏症の既往歴【2.2】口渇を感じない又は水分摂取が困難な者〔循環血漿量の減少により高ナトリウム血症及び脱水のおそれ〕【2.3】妊婦・妊娠の可能性〔[9.5参照]〕 <心不全及び肝硬変における体液貯留,SIADHにおける低ナトリウム血症>【2.4】無尿〔本剤の効果が期待できない〕【2.5】適切な水分補給が困難な肝性脳症〔[9.3.1参照]〕 <心不全及び肝硬変における体液貯留,常染色体優性多発性嚢胞腎>【2.6】高ナトリウム血症〔本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれ〕 <常染色体優性多発性嚢胞腎>【2.7】重篤な腎機能障害(eGFR15mL/min/1.73m2未満)〔[9.2.2参照]〕【2.8】慢性肝炎,薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性嚢胞腎に合併する肝嚢胞を除く)・その既往歴〔[1.6,9.3.3参照]〕

効能・効果

ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留。ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留。抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善。腎容積が既に増大しており,かつ,腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制。

効能・効果に関連する使用上の注意

常染色体優位多発性のう胞腎の進行抑制:次のいずれにも該当する場合に適用/両側総腎容積が750mL以上,腎容積増大速度が概ね5%/年以上。

用法・用量

〔心不全における体液貯留〕1日1回15mg,経口投与。〔SIADHにおける低ナトリウム血症の改善〕1日1回7.5mg,経口投与。必要に応じ,望ましい血清ナトリウム濃度に達するまで段階的に増量可。状態により適宜増減。最高量1日60mgまで。〔常染色体優位多発性のう胞腎の進行抑制〕1日60mg,2回分割(朝45mg,夕15mg)経口投与から開始。1週間以上投与し忍容性がある場合は1日90mg(朝60mg,夕30mg),1日120mg(朝90mg,夕30mg)と1週間以上の間隔をあけて段階的に増量。忍容性により適宜増減。最高量1日120mgまで。〔肝硬変における体液貯留〕1日1回7.5mg,経口投与。

用法・用量に関連する使用上の注意

【1】心不全・肝硬変における体液貯留:他の利尿薬(ループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,抗アルドステロン薬等)と併用。【2】心不全における体液貯留:血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の者・急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される者・高齢者・血清ナトリウム濃度が正常域内で高値の者は半量(7.5mg)から開始が望ましい。【3】肝硬変における体液貯留:血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の者・急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される者は半量(3.75mg)から開始が望ましい。【4】SIADHにおける低ナトリウム血症の改善:血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の者・より緩やかに血清ナトリウム濃度を補正する必要のある者・急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断される者は半量(7.5mg)から開始が望ましい。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】腎不全(1%未満)〔重度の腎障害が発現。[9.2.1,9.2.4参照]〕【11.1.2】血栓塞栓症(1%未満)〔急激な利尿により血液濃縮を来した場合,血栓症及び血栓塞栓症を誘発。[9.1.1,9.8.1参照]〕【11.1.3】高ナトリウム血症(1~5%未満)〔本剤の水利尿作用により血液濃縮を来し,高ナトリウム血症が発現。意識障害を伴うこともある。投与中は,飲水量,尿量,血清ナトリウム濃度及び口渇,脱水等の症状の観察を十分に行う。口渇感の持続,脱水等の症状がみられた場合には減量又は投与中止。症状に応じて,輸液を含めた水分補給等を行う。また,正常域を超える血清ナトリウム濃度の上昇がみられた場合には直ちに投与中止。症状に応じて,輸液を含めた水分補給等を行う。[1.1,1.5,8.4,8.8,8.12,8.21参照]〕【11.1.4】急激な血清ナトリウム濃度上昇(1%未満)〔本剤の水利尿作用により,急激な血清ナトリウム濃度の上昇が発現。これにより麻痺,発作,昏睡等に至るような浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあるため,投与中は,血清ナトリウム濃度及び体液量の観察を十分に行う。本剤投与後24時間以内に12mEq/Lを超える等の血清ナトリウム濃度の急激な上昇がみられた場合には直ちに投与中止。症状に応じて,輸液を含めた水分補給等を行う。[1.1-1.3,8.4,8.8,8.12,8.14,8.22,9.1.3参照]〕【11.1.5】急性肝不全,肝機能障害(5%以上)〔AST,ALT,γ-GTP,ALP,ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害が現れ,急性肝不全に至ることがある。また,肝機能障害が回復するまでは頻回に血液検査を実施。[1.6,8.5,8.15,8.19参照]〕【11.1.6】ショック,アナフィラキシー〔ショック,アナフィラキシー(全身発赤,血圧低下,呼吸困難等)が発現〕【11.1.7】過度の血圧低下,心室細動,心室頻拍(1%未満)【11.1.8】肝性脳症(1%未満)〔肝硬変患者の場合,意識障害を伴う肝性脳症が発現。なお,肝性脳症は,主に肝性浮腫患者において報告されているので,これらの患者に投与する場合は,意識障害等の臨床症状を十分に観察〕【11.1.9】汎血球減少,血小板減少

投与期間制限

なし

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