ボトックス
BOTOX

剤型一覧

製造販売元

グラクソ・スミスクライン

一般的名称

A型ボツリヌス毒素注射用
英語:botulinum toxin typeA

販売名 / 薬価

ボトックス注用100単位  / 59,310.0円

規格単位(薬価が適用される単位)

100単位1瓶

片側顔面痙攣(注射)の関連薬剤

基本情報
最終更新日時:2024年8月7日14時22分

警告

<効能共通>【1.1】本剤の有効成分は,ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素であるため,使用上の注意を熟読した上で,用法及び用量を厳守し,眼瞼痙攣,片側顔面痙攣,痙性斜頸,上肢痙縮,下肢痙縮,重度の原発性腋窩多汗症,斜視,痙攣性発声障害,過活動膀胱,神経因性膀胱以外には使用しない。ミオクローヌス性ジストニーの患者で,本剤による治療中に因果関係を否定できない死亡例の報告がある〔[8.1参照]〕 <眼瞼痙攣,片側顔面痙攣,重度の原発性腋窩多汗症>【1.2】講習を受けた医師で,本剤の安全性及び有効性を十分理解し,本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行う <痙性斜頸,上肢痙縮,下肢痙縮,斜視,痙攣性発声障害>【1.3】講習を受けた医師で,本剤の安全性及び有効性を十分理解し,高度な解剖学的知識,筋電図測定技術及び本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行う。本剤による治療中に因果関係を完全に否定できない死亡例の報告がある。痙性斜頸,上肢痙縮,痙攣性発声障害患者では,特に呼吸障害,嚥下障害等頸部関連筋に関する副作用が現れるおそれがある <過活動膀胱,神経因性膀胱>【1.4】講習を受けた医師で,本剤の安全性及び有効性を十分理解し,高度な解剖学的知識,膀胱鏡を用いた本剤の施注手技に関する十分な知識・経験のある医師が投与を行う <痙性斜頸,痙攣性発声障害>【1.5】頸部関連筋への投与により,呼吸困難が現れることがある。嚥下障害から嚥下性肺炎を引き起こし,また,投与部近位への拡散により呼吸機能低下に至ったとする報告がある〔[8.2.9,11.1.3参照]〕 <眼瞼痙攣>【1.6】1回投与量として100単位を投与し,投与筋以外の遠隔筋に対する影響と考えられる呼吸困難及び筋無力症が発現したという報告がある〔[8.4,9.1.4,13.1.2,15.2.2参照]〕 <神経因性膀胱>【1.7】自律神経異常反射をきたしやすい背景を有する患者には,緊急時に十分対応できる医療施設において,全身麻酔や血圧モニタリングを実施できる環境の下,本剤を投与する〔[7.29,9.1.5参照]〕

禁忌

<効能共通>【2.1】全身性の神経筋接合部の障害をもつ者(重症筋無力症,ランバート・イートン症候群,筋萎縮性側索硬化症等)〔本剤は筋弛緩作用を有するため,病態を悪化させるおそれ〕【2.2】妊婦・妊娠の可能性,授乳婦〔[8.2.5,9.4.1,9.5,9.6,15.1.3,15.2.1参照]〕【2.3】本剤(成分)に過敏症の既往歴 <痙性斜頸>【2.4】高度の呼吸機能障害〔本剤の投与により,病態を悪化させるおそれ〕 <過活動膀胱,神経因性膀胱>【2.5】尿路感染症を有する者及び導尿を日常的に実施していない尿閉を有する者〔本剤の投与により,病態を悪化させるおそれ〕

効能・効果

眼瞼痙攣,片側顔面痙攣,痙性斜頸,上肢痙縮,下肢痙縮,重度の原発性腋窩多汗症,斜視,痙攣性発声障害,既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない過活動膀胱における尿意切迫感,頻尿及び切迫性尿失禁,既存治療で効果不十分又は既存治療が適さない神経因性膀胱による尿失禁。

用法・用量

〔眼瞼痙攣〕成人初回1.25~2.5単位/部位,1眼当たり眼輪筋6部位に筋注。眼輪筋切除術施行後に投与する場合,筋電計を用い目標部位を同定する。症状再発の場合は再投与。ただし投与間隔は8週以上とし,初回量の2倍まで使用できるが,閉瞼不全,眼瞼下垂等の副作用が現れた場合には適宜減量。1ヶ月間に45単位を超える投与は避ける。〔片側顔面痙攣〕成人初回合計10単位,痙攣筋に筋注。初回投与後4週間観察し,効果不十分な場合,合計20単位まで追加投与可。症状再発の場合,合計30単位まで再投与可。ただし投与間隔は8週以上。〔痙性斜頸〕成人初回合計30~60単位,緊張筋に筋注。初回投与後4週間観察し,効果不十分な場合,合計180単位まで追加投与可。症状再発の場合,合計240単位まで再投与可。ただし投与間隔は8週以上。〔上肢痙縮〕成人合計400単位,2歳以上の小児合計3~6単位/kg,複数の緊張筋に分割筋注。1回量,成人は最大400単位,小児は6単位/kgと200単位のいずれも超えない。対象となる緊張筋の種類や数により,必要最小限となるよう適宜減量。再投与は前回の効果が減弱した場合に可。ただし投与間隔は12週以上。〔下肢痙縮〕成人合計300単位,2歳以上の小児合計4~8単位/kg,複数の緊張筋に分割筋注。1回量,成人は最大300単位,小児は一側下肢への投与で8単位/kgと300単位,両下肢への投与で10単位/kgと340単位のいずれも超えない。対象となる緊張筋の種類や数により,必要最小限となるよう適宜減量。再投与は前回の効果が減弱した場合に可。ただし投与間隔は12週以上。〔原発性腋窩多汗症〕成人,片腋窩あたり50単位,複数の部位(10~15ヶ所)に1~2cm間隔で皮内注。再投与は前回の効果が減弱した場合に可。ただし投与間隔は16週以上。〔斜視〕成人・12歳以上の小児,次の用量を外眼筋に筋注。上下斜視は上直筋又は下直筋に,20プリズムジオプトリー未満の水平斜視は内直筋又は外直筋に,1ヶ月以上持続する外転神経麻痺は内直筋に,各々初回1.25~2.5単位。20~50プリズムジオプトリーの水平斜視は内直筋又は外直筋に初回2.5~5単位。初回投与後4週間観察し,効果不十分な場合,初回量の2倍まで追加投与可。前回の効果が減弱した場合,過去に投与された1回量の2倍まで再投与可。ただし投与間隔は12週以上。1回の投与で1つの筋あたりの投与量10単位まで。〔痙攣性発声障害〕成人は次の用量を内喉頭筋に筋注。内転型痙攣性発声障害初回,片側の甲状披裂筋に2.5単位。前回の効果が減弱した場合,片側又は両側の甲状披裂筋に再投与可。ただし投与間隔は12週以上。症状により適宜増減。片側あたり2.5単位まで。外転型痙攣性発声障害初回,片側の後輪状披裂筋に5単位。前回の効果が減弱した場合,片側の後輪状披裂筋に再投与可。ただし投与間隔は12週以上。症状により適宜増減。5単位まで。〔過活動膀胱における尿意切迫感,頻尿及び切迫性尿失禁〕成人100単位,排尿筋に分割して注射。再投与は前回の効果が減弱した場合に可。ただし投与間隔は12週以上。〔神経因性膀胱による尿失禁〕成人200単位,排尿筋に分割して注射。再投与は前回の効果が減弱した場合に可。ただし投与間隔は12週以上。

用法・用量に関連する使用上の注意

複数の適応に同時投与する場合,各々の効能・効果で規定されている投与量の上限・投与間隔を厳守するとともに,12週間の累積投与量として次を上限とする/成人の上肢痙縮及び下肢痙縮に対する同時投与:合計600単位を上限とし,状態に応じて漸増する等,慎重に投与。小児の上肢痙縮及び下肢痙縮に対する同時投与:合計10単位/kgと340単位のいずれも超えない。その他の複数の適応に対する同時投与:やむを得ず同時に投与する場合,成人は合計400単位を上限とし,小児は合計10単位/kgと340単位のいずれも超えない。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】ショック,アナフィラキシー,血清病(0.01%)〔本剤投与後,悪心等の体調の変化がないか,異常がないことを確認。呼吸困難,全身潮紅,血管性浮腫,発疹等の症状が認められた場合には投与中止。血圧の維持,体液の補充管理,気道の確保等を行う〕【11.1.2】眼障害(0.34%)〔重篤な角膜露出,持続性上皮欠損,角膜潰瘍,角膜穿孔の報告。兎眼,閉瞼不全等が現れた場合には,眼球の乾燥を避けるため人工涙液等の点眼剤を投与〕【11.1.3】嚥下障害(0.75%),呼吸障害(0.03%)〔嚥下障害から嚥下性肺炎を来し,重篤な呼吸困難に至ったとする報告。また,本剤の投与により呼吸機能低下が発現。初回及び2回目の投与後1,2週間は嚥下障害,声質の変化,呼吸困難等の発現に特に留意。[1.5,8.2.9参照]〕【11.1.4】痙攣発作(0.01%未満)〔痙攣発作あるいはその再発が報告。痙攣発作の素因のある患者に投与する場合には特に注意。なお,小児では大部分が脳性麻痺患者からの報告〕【11.1.5】尿閉(0.05%)〔排尿困難等の症状が現れた場合には,必要に応じて導尿を実施。[8.2.12,8.15参照]〕【11.1.6】尿路感染(0.06%)〔混濁尿,頻尿,排尿痛,発熱,悪寒,血尿等の症状が現れた場合には適切な処置を行う。[8.2.12,8.12参照]〕

投与期間制限

なし

片側顔面痙攣(注射)の関連薬剤

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