基本情報
最終更新日時:2024年4月5日18時10分

警告

【1.1】本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,癌化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤が適切と判断される症例についてのみ投与する。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与する【1.2】重度のinfusion reactionが発現し,死亡に至る例が報告されている。症状としては,気管支痙攣,蕁麻疹,低血圧,意識消失,ショックが現れ,心筋梗塞,心停止も報告されている。これらの症状は本剤の初回投与中又は投与終了後1時間以内に観察されているが,投与数時間後又は2回目以降の本剤投与でも発現することがあるので,患者の状態を十分に確認しながら慎重に投与する。また,重度のinfusion reactionが発現した場合は,本剤の投与を直ちに中止し,再投与しない〔[7.1,7.2,8.1,8.2,11.1.1参照]〕

禁忌

本剤(成分)に重篤な過敏症の既往歴

効能・効果

RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌。頭頸部癌。

用法・用量

1週間間隔投与週1回,初回は400mg/m2を2時間かけて,2回目以降は250mg/m2を1時間かけて点滴静注。2週間間隔投与500mg/m2,2時間かけて2週間間隔で点滴静注。以上,いずれも状態により適宜減量。

用法・用量に関連する使用上の注意

【1】本剤投与前に抗ヒスタミン剤の前投薬を行う。【2】重度のinfusion reactionが発現した場合には,本剤の投与を直ちに中止し,再投与しない。【3】頭頸部癌:放射線療法又は他の抗悪性腫瘍剤と併用。

重大な副作用・国内1

【11.1.1】重度のinfusion reaction(0.8%)〔気管支痙攣,蕁麻疹,低血圧,意識消失又はショックを症状としたアナフィラキシー様症状が発現。infusion reactionを発現した場合には,全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分に観察。なお,本剤によるアナフィラキシーの発生機序の一つとして,本剤に含まれるGalactose-α-1,3-galactose(α-gal)に対するIgE抗体を介した機序が報告。赤肉(牛肉等)に対するアレルギー歴やマダニ咬傷歴のある患者では,α-galに対するIgE抗体が検出されることが報告。そのうち,牛肉に対するアレルギー歴のある患者で,本剤によるアナフィラキシーが認められたとの報告。[1.2,7.1,7.2,8.1,8.2参照]〕【11.1.2】重度の皮膚症状(18.8%)〔主にざ瘡様皮疹,皮膚の乾燥及び亀裂,続発する炎症性及び感染性の症状(眼瞼炎,口唇炎,蜂巣炎,嚢胞)等が発現。重度の皮膚症状(主にざ瘡様皮疹)発現後に,切開排膿を要する膿瘍,壊死性筋膜炎や黄色ブドウ球菌敗血症等を合併した例が報告。重度の皮膚症状が認められた場合には,本剤の投与量を調節するとともに,続発する炎症性又は感染性の症状の発現に十分注意。[7.3,8.5参照]〕【11.1.3】間質性肺疾患(0.2%)〔咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状や発熱が急激に現れた場合,あるいは胸部X線等の検査で異常が認められた場合など,間質性肺疾患が疑われた場合には投与中止。副腎皮質ホルモン剤を投与。[9.1.1参照]〕【11.1.4】心不全〔[9.1.2参照]〕【11.1.5】低マグネシウム血症(8.2%)〔QT延長,痙攣,しびれ,全身倦怠感等を伴う低マグネシウム血症が発現。なお,低マグネシウム血症に起因した,低カルシウム血症,低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には,特に症状が重篤化することがあるので注意。電解質異常が認められた場合には,必要に応じ電解質補充等を行う。[8.3参照]〕【11.1.6】重度の下痢(2.2%)〔重度の下痢及び脱水が発現。腎不全に至った症例も報告。これらの症状が現れた場合には止瀉薬(ロペラミド等)の投与,補液等を行う〕【11.1.7】血栓塞栓症(1.2%)〔深部静脈血栓症,肺塞栓症等が発現〕【11.1.8】感染症(4.4%)〔肺炎,敗血症等の重度の感染症が発現〕

投与期間制限

なし

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