強直性脊椎炎

Q 高齢発症の脊椎関節炎はあり得ないのでしょうか

質問者:50代医師
勤務医 整形外科・スポーツ医学
質問者(医師)

脊椎関節炎の症状として矛盾しない患者さんを診ています。発症年齢だけが、高齢で、診断基準に当てはまりません。
一例目の男性で60代。約10年間経過を見てきましたが、現在は脊椎が強直してしまい、歩行時に「前方が見られなくて難儀です」、と言われます。HLAの検査は、コストの面から未施行です。
もう一例は、女性で70代後半の発症。付着部炎を繰り返し、最近は指炎、関節炎が著明です。「動くとよくなる」と言います。膠原病内科の医師にも相談して様々な除外診断を進めました。マーカーで陽性になるものはありませんでした。炎症反応は陽性です。HLAだけはまだ調べていません。
高齢発症なのか、初発症状を既往歴から把握できていないだけなのか、一般の臨床医にもわかるようにこの病気についてご教示ください。

MedPeerエキスパートの回答

結論から申し上げますと、先生の症例は高齢発症の強直性脊椎炎・脊椎関節炎の診断で問題ないと思います。
と言いますのも、高齢発症のASやSpAが存在することは確かです。関節リウマチに代表されるように、これらの診断には一般的に分類基準を用いており、同じ臨床症状や兆候を持つ患者群から特徴のある部分を抽出して分類基準が作成されていますから、当然非典型的な(今回の場合は年齢)患者さんは存在します。若年発症が一般的な疾患でありますが、高齢発症のASの患者は存在しますし、近年の高齢化の状況からするといても不思議ではありません。しかし、非典型例なのか偽陽性なのかの診断はきっちりしておく必要があります。
1例目についてはDISHとの鑑別が必要だとは思いますが、単純X線での骨化の仕方やMRIでの炎症所見などでASかDISHかは鑑別可能な場合が多いと思います。文献上は高齢発症のASではHLA-B27陽性率が低い(約70% vs 若年発症90%)という記載があり、もともと日本人ではHLA-B27の陽性率が低いため、検査をしても陰性の可能性があります。臨床上・画像上ASで間違いなければそれに準じた治療をしていけばいいと思います。
2例目も同様に他の疾患が除外されていて、典型的な付着部炎や指炎があるのであれば、SpAの診断で治療を進めていくのが適切かと考えます。
日常診療の中ではいろんな患者さんがいて当然ですので、先生の非典型的な患者さんの情報はとても重要な情報と考えます。また、追加情報などあれば教えてください。
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岡野 匡志 先生
大阪市立大学医学部附属病院 リウマチ科 整形外科・スポーツ医学
エキスパート医師

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